歯科治療8年の苦労ばなし 2  

             

                P1000318             
         前は日曜日のアップだったのですが、今回は金曜日になりました。
読んで下さって、メールを下さった方もいらっしゃいます。本当に有り難うございます。
 
 ところで、写真はいったいどこで撮したものなのか知りたいという方もいらっしゃいま
 
したので、大雑把ですが、アルバムのタイトルに撮した場所を入れました。
 
 それと、話は変わりますが、実は2週間前から歯医者さんを変えました。
 
まだ2回しか治療を受けていないのですが、良くなってきたような気がしています。
 
そこで作ってもらったスプリントを1週間前から就寝時は付けています。
 
歯医者以外にも、フィットネスクラブでパーソナルトレーナーに
 
筋肉の緊張を解くためのリハビリ体操のような、ストレッチのようなことをしてもらって
 
いますが、それも効果があったようです。
 
次回また効果のほどを詳しくお知らせしますね。
 
今日は2章からで す。歯科治療の初め、1軒目の歯医者の話からです。
          
                                
               「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
           第二章  一軒目の歯医者
 
                       一  悪夢の始まり          
 
   三番目の子供が大学に入学した。第二の青春到来。喜んだ矢先、父が病に倒れ一年足ら
 
の闘病で亡くなる。半年が過ぎ一段落した。夫の勤続二十五年の慰労旅行に夫婦でカナダ
 
行こう。九月頃、秋が良い。趣味の朗読も再会しよう。喜び勇んだ。
 
  歯を磨いた時、虫歯の味がする。痛くはない。しかし外国で痛くなっても困る。朗読のため
 
にも歯は治しておかねばならない。近くの歯医者へ行った。
 
「レントゲンを見ても、虫歯はありません」
 
「虫歯の味がしますけれど」
 
「それより、よく見ると古いブリッジが壊れています。作り直しましょう」
 
「そうですか。二十五年もっと前に作ったものですものね」
 
「ブリッジの脚になる歯二本の神経を抜いた方が、今後痛くなる心配も、作り直す必要も
 
なくなります。それに、痛み を感じなくなるので、しっかりしたブリッジができます」
 
「はあ、そうですか」
 
  神経を抜くことを承諾してしまった。
 
  むやみに神経を抜いてはいけなかったっけ。だけど、もうブリッジを壊して外しているし、
 
こんな状態で他の歯医者へ替わるのも面倒だ。すでに神経を抜いている歯は一本だけ。
 
ブリッジの真ん中の一本以外に抜いた歯はない。
 
   あと二本ぐらい神経を抜いても、まあいいか。重大に考えなかった。
 
  まず一本、左下の第二大臼歯の神経を抜く。治療を二、三回した頃から、しくしく痛み
 
した。
 
「おかしいですね。横の親知らずの痛みでしょう」
 
  親知らずの詰め物を新しく作り替えた。変化はない。
 
「歯茎の痛みですかね。歯石を取れば治りますよ」
 
  歯石を取ったが何の効果もない。
 
「もう一本の歯の神経を抜きましょう。大丈夫、その間に治ります」
 
  秋が過ぎ十二月になる。カナダへは行けなかった。
 
「ブリッジを嵌めてしまえば大丈夫ですよ」
 
  痛いまま新しいブリッジを嵌めた。
 
「二本とも痛くて、とても我慢できません」
 
  何度もブリッジを削って形を調整する。ブリッジの脚になる二本の本物の歯まで削って
 
調整した。
 
  治療を始めて五カ月。脚になる二本の歯はエナメル質を削られ、剥き出しになった象牙質
 
は、すっかり虫歯菌に犯され茶色になり、 さらに削られ、痩せ細って哀れであった。
 
「ちょっと我慢して、一日、嵌めたままで様子を見てくれますか」
 
  鋭い痛みも、鈍い痛みも治らない。食べ物を噛むと突然滑って舌を噛む。
 
「食べ物を噛めないのなら歯とは言えません。外します」
 
  歯医者は自費で作ったブリッジを壊して外した。十二月も二十六日になっていた。
 
「来年、保険で作り直しましょうか」
 
「痛い原因はお解りですか」
 
「いえ…。今年はもう無理ですから、お金を返します」
 
  この半年は、なんだったのだろう。理不尽な気持ちで会計を待つ。歯医者が他の患者に
 
話すのが聞こえた。
 
「もう一度、作り直させてください」
 
  ああ、やっぱり藪なんや。あかん。
 
  領収書と交換に二十四万円、それと痛み止めの頓服を貰った。
 
  初診時の直感は当たっていた。入口の看板のペンキが禿げて錆びだらけ。レントゲンを
 
撮るときの椅子は座るとガタガタと不安定で壊れかけている。診察台に備えてある膝掛けは
 
すべてガソリンスタンドで粗品に貰ったもの。一枚同じのが我が家にもある。待合室の白い壁
 
汚らしい。この様子では儲かっていないのか、よほどのケチでお金を貯めているのか。
 
なるほど、義歯の作り直しばかりしていたのでは儲からない。
 
  愚痴りながら、とぼとぼと帰る。途中、近所の人に出会った。
 
「そんなん見放されたんや」
 
「やっぱり他を探さんと、あかんやろか」
 
  翌日、歯はますます痛くなった。年末には三人の子供達が帰省する。こんな状態では、
 
お正月の準備もおぼつかない。少し遠 いが、十年程前に行ったことのある歯医者へ駆け込
 
んだ。
 
「今年最後の診察日ですよね。診ていただけて、ほっとしました」
 
「抗生剤を、まだ使っていないようですね。抗生剤と痛み止めを処方します。
 
それと年末年始の歯科救急所を教えましょう」
 
  薬が効いたのか、お正月を無事に迎え、一年ぶりに帰省した子供達と家族マージャンを
 
楽しむことができた。
 
  後日、隣の奥さんも同じ歯医者で、“えらい目”にあったと話してくれた。
 
「前歯一本の虫歯で行ったら、抜かれてブリッジにされたんです。ブリッジの両脚二本の歯の
 
神経も抜かれました。半年かかりました」
 
  一筋違いの奥さんは、私と全く同じケースだった。
 
「奥歯の古いブリッジをやり直すことになったのですが、ブリッジ両脚の歯二本の神経を抜くと
 
痛くなってしまって治りません。結局、大きな病院で、その歯二本とも抜きました。
 
三本続きの部分入れ歯を作りましたが、奥歯がないので留めることも出来ず、奥は中ぶらり、
 
前は歯二本に金具を引っかけています。二年はかかりました」
 
  他にも色々と聞いた。あの歯医者は回数で稼ぐ。一回の治療で二種類以上のことは
 
しない。例えば歯石を少しでも取れば、その日はそれで終わり。だから治療期間が長くなる。
 
抜かなくても良い神経を抜く。歯も抜く。虫歯を抜かなくてはいけないと言われ、他の歯医者
 
へ行くと、こんなのは虫歯のうちに入らないと、二回の治療で治った。  
 
   そうなのだ! 思い当たる事ばかり。
 
  あーあ、近所の評判を先に聞いておけば良かった。
 
  良い歯医者の見分け方として本に書いてあった。予約をたくさん取って患者を待合室に
 
待たせ、診察室にも患者を何人も並ばせ 次々と診ていくような歯医者は駄目。
 
予約は三十分に一人、出来る治療は何種類でも一度にしてしまうのが良い。
 
 一軒目の歯医者では待合室に、たいてい二、三人の患者が待っていた。予約制なのに
 
三十分から一時間は待たされる。診察室に入ってからも三、四人が診察台に座っていて、
 
さらに三十分以上待たされることも度々だった。同じ患者を何回も 来させ待たせ、
 
一見、流行っているように見える。
 
  ブリッジの失敗以外に、こんなこともあった。
 
  衛生士が歯石を取っている時、回転しているドリルを落とし、舌に突き刺した。とりあえず
 
何事もなかったように思う。が、舌の 筋肉や神経に傷が付けば話せなくなることもあると
 
聞いて、ぞっとした。衛生士にドリルを使って歯石を取らせるのも、法的にはいけないらしい。
 
  歯医者の不注意で、熱い籠手のようなものを唇に当てられ、二度も焼けどした。
 
  こんなにトラブル続きなのに半年も通っていた。自分の馬鹿さ加減に呆れてしまう。
                     
    
 
     第三章  二軒目の歯医者
 
          一  神経が残っていた 
     
 
  お正月が無事に過ぎた。救急病院にお世話になることもなかった。子供達もそれぞれ
 
下宿に引き揚げた。
 
    休みが明けた一月五日、遠くの二軒目の歯医者を訪ねた。
 
   左下奥歯二本のレントゲン写真を撮る。痛みの強い奥の歯には神経が一本残っていると
 
言う。
 
「こんなん学生でも分かるで。ほらレントゲン写真を見て下さい」
 
 素人の私にも、はっきり細い神経らしい線が見えた。大臼歯は神経が二本の人も三本の人
 
いるらしい。残っている三本目の 神経を抜く。鋭い痛みは消えたが、鈍いぐずぐずした痛み
 
残った。
 
「歯の根にクラックが入っているのかもしれませんね。慢性の歯根膜炎になっているのかも
 
しれないし。慢性の歯根膜炎は完治しません。治っても事あるごとに痛くなります」
 
  そういうことなら、それでも仕方がない。
 
  もう一本の第二小臼歯も痛かったが、触らず、そっとしておいた方が良いと言う。
 
三カ月間、第二大臼歯の治療をすることにな った。
 
「それと、この左上の奥歯、虫歯ですね」
 
 二軒目の歯医者は一目で言った。半年前に、虫歯の味がすると思っていた歯だ。虫歯だと、
 
はっきり判るようだ。
 
「やっぱりそうですか。痛いです」
 
「でも、下の歯の治療が終わらないと、他の歯には手を出せません。あっちもこっちも痛くなって、
 
訳が判らなくなりますから」
 
  とっくに、上の歯が痛いのか、下の歯が痛いのか、それとも両方痛いのか判別できなく
 
なっていた。
 
 三月も終わる頃。
 
「こんなもんですね。少々の痛みは残ります」
 
 左下の型を取り三本続きのブリッジを作った。一軒目の歯医者でのこともある。様子を見る
 
ため本留めにはせず仮留めにした。
 
  その夜、ブリッジを乗せた歯茎が、なんとなく腫れぼったい感じがして痛くなった。痛さは、
 
だんだん強くなる。翌日は日曜日だ。どうしよう。
 
  日曜日、歯茎が腫れてサイズが合わなくなったのだろうか。密着していたブリッジがパッと
 
外れて歯茎から浮いた。ホッとして 腫れぼったい痛みは消えた。
 
  ブリッジの型取をしたとき、固まった型を歯から外そうと引っ張った瞬間、鋭角的な痛みが
 
走った。外し終えると痛みは消えた。それと関係があるのだろうか。歯医者に尋ねた。
 
「よく解らんけど、もうちょっと治療してみましょうか」
 
 ブリッジを外しプラスティックの仮歯のブリッジを、ゆるく留めてくれた。
 
「長い間、歯のないままにしておくと良くないので仮歯を作りました。
 
仮歯に保険は効きません。料金を貰うと高くなるので、よろしいですわ」
 
 治療費も安い。時間もたっぷり取ってくれる。優しくて親切だ。慰めてもくれた。
 
「更年期障害でしょうとか、神経質過ぎるのと違うとか、色々言われます」
 
「そんなことはないですよ。痛いのには痛い原因が、なにかあるからです。気のせいだけで
 
痛くなることはありません。それを見付けられないのは歯医者の責任です。更年期だから
 
とか、歳だから治りにくいとか、まったく関係ないです。若くても年寄り でもなるときはなる。
 
たまたま運が悪かっただけです」
 
 再び、根っこの治療に通う。
 
 
 
「なんや、その下手なんは」
 
 ブリッジを仮留めにしていたとき、それを見た友人二人が声をそろえて言った。上手な
 
歯医者を知っているらしい。一人は、口を 大きく開けて、その歯医者で被せた七本の歯を
 
見せてくれた。すばらしく美しい形をしている。口の粘膜を噛むこともない。私の ブリッジとは
 
大違いだった。
 
「な、上手やろ。あちこち行って駄目やったけど、この歯医者で、やっと治ったんよ」
 
「私は、かなり前だけど、十一本治したの。治療代は高いし、保健の歯は勧めず、
 
自費のしかしないけど、上手だと思うわ」
 
 また歯医者を替えるのはどうだろう。
 
 
 
 四月末、長男の結婚式を鎮痛剤でやり過ごし、翌日、三軒目の歯医者へ行った。
次はきっと大丈夫にちがいない。友人二人ともが良いと言う歯医者だ。安心感があった。
 
これからが本番で、この十カ月は序盤みたいなものだとは想像すらしなかった。
 
                                                       つづく
                                                       
広告
カテゴリー: 健康 パーマリンク

歯科治療8年の苦労ばなし 2   への3件のフィードバック

  1. Unknown より:

    小生もブリッジを大分前につけました。
    それから4~5年前に「部分入れ歯2個」を。
    虫歯治療も15年ほど前に。
    今思うと、白い花サンのいう「良い歯科医」と「悪い歯科医」、納得できます。
    いつも同じ歯科医が一番いいけど、住まいも変わったりして、なかなかそうはいかないですね。
    歯科医にかかりつけをもつのは、実際は難しいですね。
    で、2軒目の歯科医、1軒目と比べると随分良いように思えたけど…。次(3)は又次に読ませてもらいます。
    カナダ、残念でしたね~。

  2. Jasmine より:

    こんにちは^^ヤスコです。
    最初、直近の記事を読ませていただいたのですが、「これは最初から読まなくては!」と思い
    ここまで遡っています。
    歯は本当にデリケートな部分ですし、ほんの少しの不具合でも
    全身に影響が出ますよね。私は一昨年、初めて奥歯の神経を抜いて被せたのですが
    それだけでもしんどかったです。
    幸い、丁寧に見てくれる医院だったのでラッキーでしたが、歯の治療の重要さを実感しました。
    これから、少しずつ読ませていただきますね^^

  3. 白い花 より:

    名前なしさん
    ヤスコさん
     
    読んで下さって有り難うございます。
    長々と続きますが、よろしくお願いします。
     

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中