歯科治療8年の苦労ばなし 9

         
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 これは虹を撮したつもりだったのですが、写っていませんでした。
 
遮るものがまったくない大きな空に、雄大な虹だったのですが。残念! 
 
光の角度がよくなかったのでしょうね。虹って撮すのは難しいのでしょうか。
 
 新しい歯医者の診察は、今度は前回から次回まで3週間も開いています。
 
2週間でスプリントの調整をしていただきたかったのですが、
 
予約がいっぱいで入れて頂けませんでした。
 
今度の先生は1週間に1度、午後1時から5時までの診察です。
 
しかも、一人の患者さんに、初診の時は1時間半から2時間、
 
再診の時も、私の場合、スプリントの調整に1時間以上かけてくださいます。
 
だから仕方ないですね。
 
それに、あいだを開けても大丈夫な状態になってきたのだと思うことにしました。
 
 今回は、第八章、五軒目の歯医者の続きと、第九章の前半です。
 
 今まで1回の文章量が多すぎたようなので、今回からは少なめにしますね。
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             「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
     
     第八章  五軒目の歯医者
         六  新・新種の痛み 
 
 
 鎮痛剤で誤魔化しながら、一週間が過ぎ、二週間が過ぎた。
 
 二本の歯の痛みは激しくなり、歯の神様が焼糞で連発したかのように新しい種類の痛み
 
まで現れた。
 
 突然、なんの前ぶれもない。歯を鷲掴みにされたような鋭い痛み。犬の散歩の途中、
 
歩いて片足を出そうとすると、ウッと襲う。一秒も続くか続かないかで、立ち止まった瞬間
 
える。バスに乗ろうとタラップに足をかけた瞬間、車の運転中にハンドルを切ろうとした
 
瞬間、突然や来る。不意を付かれるので危なくて怖い。鋭い痛みが消えた後に、
 
鈍い不快感が残る。一日中痛みが跡を引くこともある。連続して襲ってくることもある。
 
一回きりのこともある。まったくなにもない日もある。
 
 痛みの場所も二本の歯だけではない。体の他のところへも拡がった。
 
 痛い歯のある左側上半身。左顎の下から耳の横を通りこめかみへ、こめかみから耳の横を
 
降りて左首をつたい左肩を経て左の上腕、左胸、左の背中と続く。ついに、こめかみを超えて
 
頭の左側に頭痛が始まった。
 
 ここ十年以上、頭痛など一度も経験していない。
 
 これは、ただ事ではない! これ以上は我慢するべきではない! 
 
 どこの歯医者へ行けば良いのだろう。この事態を他の歯医者にどう説明すれば解ってもら
 
えるのだろう。五軒目の歯医者は自分がしたことだから、まだ、原因を突き止める手がかり
 
くらいは分かるかもしれない。
 
 それに、この二年の経験から思うのだが、他の歯医者へ行っても、その歯医者が自分で
 
招いたことでない場合、責任感がない。治してあげようという熱意が薄いように感じる。
 
 
 
「自分で一番なんて言う人、信用できる?」
 
 友人が言う。それもそうだ。迷った。
 
 あげく、結局、五軒目の歯医者に電話を入れた。前の診察日から三週間が経っていた。
 
「どうして電話してきたの! 院長が言ったでしょう! もうする事はなにもないって!」
 
 甲高い怒鳴らんばかりの声だった。
 
「えっ!? でも……」
  
 ここへ電話したのは、やっぱり間違いだったのか。あまりの言葉に絶句した。
 
このまま受話器を捨ててしまいたい。
 
 やっと次の言葉を振り絞った。
 
「痛いので、お電話したのですが。ますます、ひどくなるものですから」
 
「ええ? 痛いの…、ちょっと待って!」
 
 奥さんは甲高い声で突っ慳貪に言った。ドンと受話器を投げ出した音が聞こえ、
 
電話の向こうで相談しているような声がした。
 
「じゃ、診察の予約、取って!」
 
 どうして、この人はこんな偉そうに冷たく言えるのだろう。
 
「はい……」
 
 予約を取ったものの、この歯医者に行くべきか。これが正しい選択なのか。
 
 新しい歯医者に替わると、この新たな訳のわからない症状に加え、以前の二年の経過を、
 
また最初から説明して解ってもらわなければならない。それを考えると胸が重くなる。
 
 もういい。予約も取った。成り行きにまかせよう。
 
 
 
 やっと予約の日が来た。
 
「原因が分かりませんね。他に何かあるのでは。そういう年頃ですし」
 
 まったくお手上げ、更年期障害か、気のせいだといわんばかりだった。
 
「以前より痛みが増したのです。でも、そうおっしゃるのなら、その専門医へ行きましょうか。
 
紹介状を書いてくださいますか」
 
「えー、でも、なにか原因を見過ごしているのかもしれない……」
 
 歯切れの悪い弁解じみた説明をする。
 
「歯を叩いたり、触って痛いのは神経が残っている場合です。顎の下や、顔の側面などが
 
痛いのは三叉神経に問題があるからです。突然の痛みも三叉神経の典型的な症状です。
 
以前、アメリカ帰りの三叉神経の専門家に患者を紹介したことがあります」
 
 良かった! それならそこへ行けば良い!
 
「そこへ紹介状を書いてください」
 
「いや、今はもう、その先生はいないです。三年前までいたのですが」
 
 どこへ行ったのか知らないのだろうか。後任の先生もいないのだろうか。
 
 結局、ちょっと言ってみただけで、本気で紹介する気はなさそうだった。
 
「頭も痛いのなら脳神経外科へ行った方が良いかもしれないですね」
 
「脳神経外科医なら身内に知り合いがいます。そこへ行きましょうか」
 
「いやあ、やっぱり、歯科に行ってもらおうかな……」
 
 一年前、根の炎症がひどくてT大病院で骨シンチをした。その時の主治医が我が家の近く
 
医療センターに転勤している。新しい歯医者よりは事情を解ってもらい易いだろう。
 
優しい先生だし良いかもしれない。
 
「じゃあ、家の近くの医療センターに前の主治医がいらっしゃいます。その先生にお願い
 
しましょうか」
 
「いえ、T大病院のK先生のところへ行ってください。知り合いですので」
 
 結局、T大病院のK歯科部長を紹介してくれることになった。大学の同級生だと言う。
 
医療センターの歯科医は後輩で紹介しづらいようだった。
 
 
 
 数日後、我が家に電話が入った。
 
「T大病院のK先生にお電話いたしましたので、行らっしゃってくださいませ。どうぞお大事に
 
なさってくださいませね」
 
「!?……。あ、ありがとうございます……」
 
 あまりの豹変振りにこちらが赤面してしまう。恥ずかしくないのだろうか。あの横柄な態度の
 
人と同一人物とはとても信じられない。丁寧な言葉使いに鳥肌が立った。
 
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       第九章  T大病院へ舞い戻る         
 
          一  顎関節が落ちた痛みだった
 
 
 六月末、朝一番に診てもらおうと早くに出かけた。
 
 高架列車からの港の眺めは美しい。朝日の反射が白いベールのように港を包む。懐かしい
 
景色だ。以前、五年間ここで暮らしたことがある。それに去年、このT大病院で骨シンチをして
 
もらている。一年経って舞い戻ってしまった。
 
 
 
「いつ、ブリッジを外しました」
 
「二カ月程前です」
 
「ブリッジを外したので、顎関節が落ちて、それが原因で左上半身の新しい痛みが
 
出てきたのです」
 
 T 大病院K歯科医の説明によると、長く歯の治療をしていると、よくある症状らしい。
 
きちんとした歯が入っていなくて噛み合わせが悪い状態が長く続くと、顎関節にも悪い影響が
 
出てくる。顎関節が不安定になっていたのにブリッジを外してしまったので、顎関節が限度を
 
超えて落ちてしまったと言うのだ
 
「そうですか。でも歯の痛みもですか?」
 
「顎の下、ここが痛いのでしょう。歯の痛みではなく、筋肉の痛みです」
 
 左顎の下を手で探って、巧みに一本の筋肉の筋をつかんで断言した。
 
「はあ…」
 
「この程度なら、きちんとしたブリッジを入れれば、顎関節は元に戻り、様々な症状は
 
治ります。仮歯を作り、少しずつ高さを上げて調節していけば良いですよ」
 
「ええ…」
 
「顎関節の状態もMRIで一応調べましょう」
 
 歯の痛みが筋肉の痛みだけだとは素直には信じられない。今度新しく加わった症状は、
 
この説明で納得いくが、歯の痛みはさらに増したとは言え、二年前から続くものだ。
 
 なんの躊躇もない断定的な説明だった。大病院の部長先生の権威を信じるしかない。
 
自分を納得させた。
 
 一週間後のMRIの予約を取り、鎮痛剤を貰った。
 
                             P1000433                  
                                              つづく
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歯科治療8年の苦労ばなし 9 への11件のフィードバック

  1. Tamaki より:

    白い花さん (^ー^)ノマイドー♪
    顎関節 三叉神経と来れば 勿論 肋間系神経痛(但し 調べようが有りません
    だから 内の大学では 漢方薬 以外の処方は していません
    市販薬は、高いので 今の先生から 処方箋を出してもらいましょう
    保険が、効くように成りますよ (o^-\’)b
     

  2. 白い花 より:

    Tamakiさん
    アドバイス、有り難うございます。
    これは6年前のことなのですが、
    参考のため、漢方薬の名前をご存じでしたら、教えてくださいませんか。
    もし、エキス剤であるのなら、ツムラの何番とか。
    お医者さん、特に歯科医で、漢方薬に通じている人は少ないので、
    こちらからリクエストしないとご存じないと思います。

  3. 洋子 より:

    風景の写真、綺麗ですね。
    特に海の青がなんとも!
    歯医者の金髪の女性の応対はどうもいただけませんね。
    キレやすい患者さんだったら喧嘩になってしまいそうな・・・

  4. 白い花 より:

    洋子さん
    実際には、もっと凄い色で、
    本当に、どうしてあんなに青いのかと思うくらいの青さでした。
    チャンスがあれば、また行きたいです。
     

  5. Misa より:

    こんばんは☆
    白い花さんの手記は、本当にリアルで、拝見していると口の中がむずむず・・・
    何年か前のお話だということですが、こういう思いをしている方は
    たくさんいらっしゃると思います。
    こうして手記を書かれていること自体、とても意義のあることだと思っています。
    (すみません、えらそうなことを言って・・・)
     
    壮絶な手記の内容と全然対照的な、和やかな風景のお写真、
    とても素敵ですね(^-^)
     

  6. 乙女 より:

    歯が痛い時は歯科医に行けば治るんだと思っていたけど・・・
     
    今年娘が歯根膜炎で痛い思いをしましたが、
    白い花さんのブログを見て励まされる人も多いと思いますよ。
    「歯の闘病記」として続けて下さい☆彡
     
     

  7. 白い花 より:

    Misaさん 昔の乙女さん
    有り難うございます。
    他の人のためになるかどうか分かりませんが、
    とにかく、書かずにはおれないという思いです。
    退屈かもしれませんが、よろしくお付き合いくださいね。
     

  8. nao より:

    はじめまして(o^─^o)
    コメントを頂きありがとうございました。
    白い花さんは 歯でたいへんな思いをされたのですね。
    たかが 歯 と思ってはいけないなぁって 感じました。
    大切な体の一部ですからね。
    でもその大切な体の一部が 悪くなり 病院に行ってるのに 病院に誠意が感じられないと ショックです。
    私が今通っている病院の先生は幸いとても親身になってくださる先生です。

  9. Tamaki より:

    白い花さんへ 症状からして 完治するわけでは 有りませんが 気に成ら無い程度に。
    参照 http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200051.html 
    データーからの お勧め 一元 柴胡桂枝湯に成ります。
     

  10. 白い花 より:

    nao-c1970さん
    わざわざ来てくださったのですね。有り難うございます。
    お医者様が良い方で良かったですね。
    同じ治療をするのでも、お医者様の態度しだいで、患者の癒され方は随分違いますよね。

  11. 白い花 より:

    Tamakiさん
    有り難うございます。
    Tamakiさんは、漢方のお勉強もなさっているお医者様ですか。
    私は、趣味で漢方薬の勉強をしたことがあります。
    ここに書いてあったのは、6年も前のことなのですが、完全に治っているわけではありません。
    最近は喉だけと思って、ハンゲコウボク湯(漢字変換ができなくて)を飲んだりしていました。
    さっそく、柴胡桂枝湯を試してみます。
     

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