歯科治療8年の苦労ばなし 10

                    
                    2002.7.7-1 088                    
 
            今回の写真はロシアです。
ロシアへは、友人と行ったのですが、私がカメラを持ってなかったので、
 
写真はすべて友人にお借りしたものです。
 
 今週は、スプリントも歯の調子も、良いのか悪いのか判断できかねています。
 
月曜日に、スプリントの調整をして、自分の歯(部分入れ歯やクラウン)も削って調整し
 
ました。その直後は良いように思ったのですが、全体が削りすぎて低くなりすぎたよう
 
な気がします。
 
巧く食べ物が噛めないし、顎関節が痛いのです。
 
このまま2週間様子を見ようか、どうしようか迷っています。
 
 今回は、第9章の途中からです。ロシアへ行きます。                                              
            2002.7.7-1 049 
        
                     「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
  第九章  T大病院へ舞い戻る         
 
       二  ロシア旅行で生き返る
 
 
 一週間後にMRIを撮影、その二十日後に結果がわかる。
 
  およそ一カ月間、また鎮痛剤で誤魔化しながら暮らさなければならない。結果が出るまで、
 
なにもしてもらえない。待つだけだ。
 
 一カ月どうしてやり過ごそうか。毎年、夏は暑さしのぎに推理小説を読む。堅い本は夏には
 
向かないと決めている。しかし、この歯の状態では推理小説にも集中できない。いっそ体を動か
 
していた方が、痛さを忘れ気も晴れるかもしれない。
 
 タイミング良く、ロシアへ行こうと誘いがかかった。この際、旅行でもするか。
 
 ええい、ままよ。一か八か行ってみよう。
 
「行っても大丈夫だと思いますが、痛み止めの薬は二種類以上持って行ってくださいよ。万が一
 
効かなくなったときのために。いいですね」
 
 歯医者のアドバイスに従って、鎮痛剤二種類、筋肉の緊張を取る薬、炎症を抑える薬を携えて
 
機中の人となった。
                         2002.7.7-1 075
 
「高度が上がると気圧が低くなって、よけいに歯が痛くなるの知ってる?」
 
「そうよ、宇宙飛行士は歯を徹底的に治療して行くらしいわよ」
 
「顎関節もブリッジを外したままで、もっと落ちて顎が外れたらどうするの」
 
「顎が外れて口が開けられなくなったら食事も出来ないし、逆に閉じれなくなっても困るでしょう?
 
大変じゃない」
 
「ロシアの歯医者、腕は大丈夫なの?」
 
 友人達は心配してくれた。私も内心、不安だった。
 
 パック旅行は好きではない。これまではリュックをかついでバックパッカー式の個人旅行をして
 
きた。しかし、今度ばかりは安全策としてツアーに参加した。英語なら少しは話せるがロシア語は
 
全く解らない。看板一つ読めない。万が一、歯医者に駆け込まなくてはならない事態になったら、
 
ロシア語の話せる添乗員は頼りになる。
 
 普段は、ろくに目を通さない旅行保険の説明書を読んだ。旅行以前からの疾病は医療保険の
 
対象外のようだ。
 
 ロシアで、自費で歯医者にかかった場合、どれくらい必要なのだろう。やっぱり止めようか。
 
なにかあって、友人や他のツアーメンバーに迷惑をかけても申し訳ない。躊躇した。
 
「行こうと思ったときに思いきって行かないと、いつまで経っても行けないわよ」
 
 そうだ。年の功、先輩のアドバイスが正しい。都合の良い方に耳を傾けよう。もしなにかあって
 
も、それが運命。そのときは、他のメンバーにも運命だと思って諦めてもらおう。
 
 一緒に行く友人には義理を欠くと思ったが、詳しいことは話さなかった。よけいな心配をかけて
 
もいけない。楽しい旅行が台無しだ。   
                                                  2002.7.7-1 035                                          
        
 気のせいか、高度が上がると、やっぱり歯の痛みが増した。もちろん鎮痛剤を飲んでいたが
 
痛みが残る。でも、たかだか十時間、我慢すればロシアに着く。高度が下がれば条件は同じ。
 
日本の自宅にいても、ロシアにいても痛さに変りはない。むしろ家事や雑用から解放されて楽に
 
なる。
 
 初めてのロシアだった。帝政ロシア、社会主義ソビエト連邦、新生ロシアと時代を重ねてきた
 
町並みは、おおらかで美しい。思った以上にヨーロッパの雰囲気がある。
 
 思い切って来て良かった。
 
 歯の治療に縛られていたこの二年間が、遙か遠くの昔のことのように思われた。
                            2002.7.7-1 016                                                               
  白夜のツアーは、かなりハードなスケジュールだった。他の参加メンバーが言うには、一番予定
 
がぎっしり詰まった盛りだくさんのツアーを探したら、このツアーになったそうだ。七月のロシアは
 
夜十二時を過ぎないと空が暗くならない。朝は二時には空が白らみ始める。それに合わせた
 
スケジュールだ。ホテルに辿り着き寝るのは真夜中を過ぎてから、朝は五時、六時に起床。
 
連日そんな調子で充実していると言うべきか、勤勉な日本人の本性丸出しと言うべきか。
 
 旅行中は友人に内緒で四種類の薬を一日四回、こっそり飲んだ。
 
 薬のせいか、観光バスに乗りづめのためか。足がバンバンに腫れて象の足になった。靴も
 
ズボンもルーズなものしか入らない。顔も、まるまるの天平美人。便秘薬もまったく効果がない。
 
何もかも体に溜め込んで帰国した。
 
 出迎えた夫が心配した。利尿剤、漢方薬、コーヒー、お茶、利尿作用のありそうなものを思いつ
 
く限り、毎日食べて飲む。一週間で腫れが引き、もとの服や靴が、かろうじて入るようになった。
 
 もう少し長く滞在していたら危ないところだったかもしれない。無茶は禁物だと思い知った。
 
体力、精神力の限界を確認した旅でもあった。
                                               2002.7.7-1 018                                                           
「まだ、治らないの? 長いね」
 
「よく保つね」
 
「もう二年が過ぎたでしょう? 私だったらとっくに発狂しているわ」
 
 友人は言うけれど保たすしかない。大声で泣きそうになるが保たすしかない。自分でも、いつま
 
で保つのか自信がなくなっていた。
 
 ロシア旅行は、気晴らしとしては大成功だった。萎えて崩れそうになっていた心を立て直してく
 
れた。治療は続くが、また新たな気持ちで取り組める気がする。
 
            2002.7.7-1 037   つづく     
                                               
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歯科治療8年の苦労ばなし 10 への18件のフィードバック

  1. 乙女 より:

    体調が思わしくないのにロシア旅行は大冒険でしたね。
    留守の間は家族も心配していたと思いますが、
    何事もなく(?)無事に帰国でき良かった!
    気持は紛れたようですが大事にして下さい。

  2. 洋子 より:

    むくみは大変だったようですが精神的には
    良かったみたいですね。
    リフレッシュって心の均衡を保つためにも必要ですよね。

  3. じばこ より:

    返事有難うございましたm(__)m
    長い年月の苦しみを公表して下さって、ブログを見ている人たちが、医院を捜す時の
    とても(ためになる)参考になりますね。
    早く、健康になられること祈っています。
     

  4. 白い花 より:

    昔の乙女さん
    本当に無事に帰れて良かったです。
    今から思うと、あんな無茶なことを良くもしたものだと、反省しています。
    もし何かあったら、たくさんの方にご迷惑をかけるところでした。
    行けないとなると、なにくそ行ってやると、ムキになる性格らしです・・・(トホホ・・・悲しい)

  5. 白い花 より:

    洋子さん
    結果オーライで、良かったのですが、
    もうあんな無茶はしないようにと大反省です。
    でも気分転換は、必要ですよね。
    何事も行き詰まったときは、焦らずに気分転換をするのが一番だという、教訓にもなりました。

  6. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    有り難うございます。
    今は、もう峠を越したという感じです。
    一時は、悪い方に悪い方に転げ落ちるようだったのですが、
    1年くらい前から、良い方に良い方に向いてきた気がします。
    不思議な気がします。
    だから、ブログを始めることも出来たのだと思います。
     

  7. ぷち より:

    すごい行動力ですね・・・私も見習わなくては・・・

  8. Misa より:

    こんばんは☆
    体調がおつらい中、ロシアへの旅行大変でしたね。
    むくみの症状も強かったようで・・・
    でもそういうときって、一緒にいるお友達の存在は大きいですよね。
    お写真、一部拝見できなかったのですが・・・すばらしい景色にいやなことを忘れて
    しまいそう。やっぱり時には、非日常の世界にいくことも大切ですよね!

  9. 白い花 より:

    ぷち・ぷち・pさん
    どうなんでしょうかね・・・
    でも、その時は必死だったんですよね。
    行かねば、行くぞという感じです。
    そんな時は、その波に乗ればいいのかなあと・・・思ったりしてます。

  10. 白い花 より:

    Misaさん
    そうなんですよ。
    すこし年上のおおらかな方で、写真も気持ちよく貸してくださいました。
    ところで、写真何枚か見えない場合があるようなのです。
    私の画面では全部写っているのですが・・・
    印刷すると3,4枚消えてプリントできないようです。
    原因不明。私の力では分かりません。無念!

  11. Tamaki より:

    白い花さん (*^-^*)/オッハヨウ
    只今 経済的に世界一のロシア旅行 お疲れ様でした。
    何よりも 健康が土台なのですが シリーズ 読んで 行くうちに
    かなり 回復 して 来て いるのが良く 解ります
    これからも 白い花さんを お手本に 頑張って参りますねぇ-☆彡 

  12. 白い花 より:

    回復しているように見えます?
    これは序の口で、歯科治療2年目のころでして、
    ここまでは、まだ大したことはなかったのですよね。
    後になって考えると。
    この後、信じられないようなことになるのです・・・涙

  13. Unknown より:

    白い花さん、おいでくださってありがとうございます
    歯の苦労話;全巻読ませていただいています
    投稿に慣れていなくって、オロオロでした
    ほんとに白い花さんとわたしはよく似ているなァ~
    と改めて思いました。
    白い花が好き、旅行好き、歯科で大変・・etc・・・
    これからもよろしくお願いします

  14. Unknown より:

    すみません^^;)
    名無しは‘そら’です。どこへ名前を書いたらよいのでしょう
    (やっぱりオロオロ)

  15. 白い花 より:

    あっ、以前、名前なしでコメントいただいた方ですか。失礼しました。
    苦労話、全部読んで下さって有り難うございます。
     
    似たような経験の方が他にもいらっしゃって、メールを頂いたりしましたので、
    混乱してしまいました。
    歯で苦労なさっている方、結構いらっしゃるのですよね。

  16. 白い花 より:

    そらさん
    名前は、「プロフィール情報を使用する」の前の□のバッテン?を外すと、
    情報を書き込む欄が出てきますよ。
    こんな説明で、分かりますか?

  17. ク~ より:

    こんにちはロシア旅行気分転換になってよかったですね
    ところでコメントに対する返事ですが・・・・
    夫・・・結婚してからずっと忙しい人なのでご多聞にもれず
    ‘亭主元気で留守がいい’状態ですよ
    同じこと思わず口にしたこ何回やら・・・・笑

  18. 白い花 より:

    酔いどれク~さん
    ”亭主元気で留守が良い” 我が家も、そうです。
    それに慣れたのか、いなくても、どうってことなく快適にやっています。
    定年退職で、ずーっと家にいるようにでもなったらと、考えただけで恐ろしいです。
     

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