歯科治療8年の苦労ばなし 11

                               
                                       2002.7.7-1 002

 今回もロシアの写真です。もちろん友人に借りました。
 
これはモスクワの街中です。
 
 歯の方はスプリントを付けても、外しても調子が悪いので、
 
月曜日に、予約外で診ていただきました。
 
スプリントを調整し直して、痛いのは殆ど治まり、ひとまず、安心。
 
 今回は、十章 また五軒目に舞い戻ります
              2002.7.7-1 029
 
 
                  「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
                             
        第十章  しぶしぶ五軒目の歯医者へ
 
                   一  思いがけない発見      
 
 ロシアから帰国後、T大病院へMRIの検査結果を聞きに行った。
 
「この程度なら前に説明した治療で大丈夫です。開業医でもできますから、以前の先生に連絡し
 
ておきます」
 
 五軒目の歯医者と縁が切れると、ほっとしていたのに。あそこは嫌だから他を紹介して欲しいと
 
言うべきだった。
 
 K歯科医から五軒目の歯医者に返すレントゲン写真と、不安をぶら下げて病院を出た。
 
 膨れて入らないので後ろを踏んで履いた靴、不要だから捨てようと思っていた唯一入ったウエ
 
ストがゴムのスカート、惨めさに追い打ちをかける期待はずれのK歯科医の指示。三十年以上も
 
前に読んだサルトルの小説『出口なし』が唐突に思い浮かぶ。そんな小説があったっけな。
 
 新生ロシアの晴れた空は消え去った。
                          2002.7.7-1 044                         
 
 指示どおり、レントゲン写真を携えて、再び五軒目の歯医者を訪ねた。
 
「T大病院のK先生から電話がありました。このまま次の段階へ治療を進めれば良いということ
 
です」
 
 本当に、そんな指示なのか。
 
「痛いままで、大丈夫ですか? 痛みは治るのですか?」
 
「ええ…。K先生がそうおっしゃっています。ブリッジの仮歯を作ります」
 
「……」
 
 五軒目の歯医者は、自分が仮歯を外して顎関節を落とし今の症状を招いたこと、さらに痛みが
 
増したことについては、まったく口に出さない。K歯科医と、どんなやり取りがあったのだろう。
 
どこまで自分のした処置について報告したのだろう。
 
 左上半身の筋肉の痛みはK歯科医の説明で納得するとしても、二本の歯の痛みを残したまま
 
で、その上にブリッジを被せて良いのだろうか。
 
「まず虫歯の部分を削り、綺麗にしてからベースの型を取ります」

 ブリッジの仮歯を作る前に準備の作業が必要らしい。  

                            2002.7.7-1 026                                                          

「先生、その前に、このレントゲン写真を見て頂けますか」
 
 返却するようにK歯科医から預かってきたレントゲン写真を見せた。
 
「写真のこの部分、ブリッジの前の脚になる歯のこの部分。以前、削った歯髄に薬が申し分ない
 
状態で綺麗に入っていると仰ったところです」
 
「ええ? どこですか」
 
「ほら、あのときは気が付かなかったのですが、この一部分だけ少し色が違うでしょう」
 
「ああ」
 
「そこ、ここに来てから酸っぱい感じで痛くなったところ、そこなのです!」
 
「これは壁にしていたところで、最終的には取ろうと思っていました。今、取ります」
 
 そうは言うが、すでに治療を終え、仮の蓋ではなく本物の蓋をしている。
 
 ドリルでその蓋を削って開け、色の異なる部分を削り取ったようだ。薬を詰直した。
 
                           2002.7.7-1 048                                              
 この歯医者に来てからさらに痛くなった場所と、その色の違うところは一致していた。痛くなった
 
直後、レントゲン写真を見せてもらったときには気が付かなかった。こんなに綺麗に処置が出来
 
ていて、痛くなる要素はまったくないと言われ、しぶしぶ納得していたのだ。
 
 レントゲン写真を、たまたまK歯科医から預かって家に持ち帰ったのが幸いした。
 
 どうして痛いのだろう。溜息交じりに電灯にかざした。何回見ても、どう見ても、歯医者が言った
 
とおりだ。名人技と言いたいくらい綺麗に薬が入っている。二時間くらい睨付けていた。
 
「あっ!」
 
 綺麗な一塊の薬の影と思っていたが、その端の一部分の色が他の部分と違う。一度気が付く
 
と、今度は何度見直しても、はっきり違って見えた。
 
 このレントゲン写真は、五軒目の歯医者だけでなくT病院のK歯科医も見ている。私に説明をし
 
ながら見たはずだ。私はこれが三度目だった。
                                                               
                                                      2002.7.7-1 070                                               
  
 五軒目の歯医者は知っていたのだろうか。私の指摘に対する反応があまりに素早い。知ってい
 
たが別に問題ないと思っていたのだろうか。なぜあんなに慌ててすぐに削り取ったのだろう。
 
「壁にしていたと仰ったところ、削り取っても支障はないのですか?」
 
「ええ、初めから、取るつもりでしたから」
 
「……?」
 
 抗議の一つも言ってやりたい。もっと突っ込んで聞きたい。しかし、ここで治療を続けるのなら
 
言わない方が良いのだろうか。
 
 この歯医者に来て新たに始まった、酸っぱいような、浮いたような痛みは消えた。左上半身の
 
筋肉の痛みと、もともとあった歯の痛みは残った。
                                                     
                             2002.7.7-1 057    つづく                                                                                            

                                                                                                                                               

 
 
  
                           

                                                  

広告
カテゴリー: 健康 パーマリンク

歯科治療8年の苦労ばなし 11 への20件のフィードバック

  1. 乙女 より:

    読んでいて5件目の医者の対応に不安を感じます。
    言いたい事も遠慮しなくてはならないなんて、
    本来はお客様なのに、
    後の事を考えると何も言えず、
    患者って弱い立場ですよね。
    医者と患者の信頼関係がいかに大事かと痛感しました。

  2. Tamaki より:

    白い花さん (*^-^*)/コンチクワァー♪
    聞けば聞く程、私自身までが 人間不信に成って来ます。
    その頃は、とても自ら指摘出来ない 弱み? の 壁が 邪魔していたのですね。
    その時期に 顎関節症 と 頚椎症 の 信頼の出来る 整形外科の先生が 必要だったような
    ような 気がします が 白い花さんには 皆目見当が付かない頃ですものね。

  3. じばこ より:

    歯医者に行ったら、「まな板の鯉」になってしまいますよね。
    元の医者になんか戻りたくない患者の気持ちを分からない、大学歯科医師と
    葛藤だらけで、やっとの思いで心配していた歯医者に通院するはめになって_
    白い花さんは、素直過ぎたのですね
    その後の5件目の不手際には、本当に腹が立ちます。
    すがすがしい、ロシアの風景で、心が洗われます。

  4. Unknown より:

    歯科ってふしぎでこわい世界ですね。
    処置が的確かどうかなんて
    患者にはその時点ではわからないことですものね
    難しいことですね~(つくづく・しみじみ)
     
     
     

  5. 洋子 より:

    お金を払ってお任せするのに、不信感が払拭できないまま・・・
    というのはなんともやりきれないですね。
    ロシアの写真はとても綺麗ですね。
    一番下の写真の花はユニークな形!

  6. 白い花 より:

    昔の乙女さん
    5軒目では、この後も、散々な目に遭いました。
    あの時、他に替われば良かったと、後悔、先に立たずです。

  7. 白い花 より:

    Tanakiさん
    後になってですが、
    無知は罪悪だと、つくづく思いました。

  8. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    素直すぎたのではなく、
    無知で馬鹿だったと、つくづく嫌になっています。

  9. 白い花 より:

    根っこの治療なんて、
    この目で見て確認できませんものね。
    信じるしかないですよ。

  10. 白い花 より:

    そらさん
    ごめんなさい。
    先のコメントに、お名前入れるの忘れました。

  11. 白い花 より:

    洋子さん
    あの花の形、珍しいでしょう。
    薄いピンクで、なんとなく可愛いげで、
    ロシア的なのかなあ。

  12. 白い花 より:

    Tamakiさん
    ごめんなさい。Tnakiさんになってしまって。

  13. Misa より:

    こんばんは☆
    お医者さんと自分との信頼関係を築くのも大変なのに、
    その上、他の病院との調整・・・
    私たち患者側の立場になってくれるお医者さんがどのくらいいるのかなあ、と
    思わず考えちゃいます。

  14. 白い花 より:

    Misaさん
    脅かすようなことばかりで、ごめんなさいね。
    2軒目の歯医者さんが仰るように、私はたまたま運が悪かったのかもしれません。
    親切な欲得なしの名医もたくさんおられると思います。
     
    それと何事もそうなのでしょうが、拗れるとだんだん難しくなるようです。
    最初に行くお医者さんは大事だなあと思いました。
     
     

  15. M より:

    こんにちは、初めまして。
    歯の治療も時間とお金がかかる上に、医師との相性もあるんですね。
    大変ですね。いい先生に出会えます様に。

  16. 白い花 より:

    東風便りさん
    有り難うございます。
    今年の6月からお世話になっている歯科医は、
    今までの中で一番良いような気がしています。

  17. じばこ より:

    今現在、通院している歯医者さんが良さそうで、救われます。
    写真が映ってないですが・・・・・先日見たときは、ありました。
    9章の前後2枚以外も消えてます???

  18. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    やっと良い先生に巡り会えたという感じがしています。
    体重が増えたということと、私の気持ちが穏やかになってきているので、
    たぶん治ると思っています。
     
    あの写真、なぜか暫くすると消えるのです。
    私がアップした直後は全部あるのですが・・・
    フォトの方のは消えないので、もし宜しければ、そちらの方で見ていただけますか。
    それと、どなたか、どうしてなのか教えてくださらないでしょうか。
    もとの写真に、なにか違いがあるのかもしれませんね。

  19. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    9章ですか? 10章ではありませんか?
    ロシアの写真の何枚かが、消えるようなのですが。
    消えないのもあるのですよね。
    今の時点では、私の画面では全部見えているのですが、
    そちらの画面では消えるのですね?
     
    プリントアウトしても、ロシアの写真は消えるらしいのですが、
    原因が分かりません。

  20. じばこ より:

    ごめんなさいねm(__)m10章の中5枚と11章全部です。
    初めは、両方確かに見れたのですが・・・
    見えるかたもいるのでしょうか?
    写真が×印になっているブログも多いから、今までは見せるのを止めたの
    かと単純に思っていました。
    どうぞ、ブログ記事で解決策呼びかけると、教えて下さる方が現れますよ。
     
     

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中