歯科治療8年の苦労ばなし  18

  
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 今回の写真は、ビシケクのバザールです。
 
下のは、小麦粉ばかりを売っているお店。こんなに種類があるのには驚きました。
 
日本のお米にも色々あるのと同じなのでしょうね。上等な粉で焼いたパンは
 
やっぱり美味しいのだそうです。お店のおねえさん凄い迫力でした。
 
 歯の方は、クラウンや部分入れ歯を低く削り過ぎなのではと、思うのですが、
 
十三日の月曜日が祭日、その次の月曜日は先生が学会、予約はさらに次の月曜日。
 
それまで、我慢、様子見という感じでしょうか。
 
でも、スプリントを一日付けたままは、ちょっときついです。
 
それと、歯を低く削るたびにシワが増えて、年寄り顔になるのが辛いです。最終的に
 
元に戻してくれるのか心配!!! えっ、もともとシワだらけ???
 
 今日は、第十二章の二 ”歯のことを知らないK歯科医” からです。
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               「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
 
      第十二章  T大病院K 歯科医再受診
  
           二  歯のことは知らないK歯科医
 
 
 翌日、再びK歯科医を訪ねた。
 
 昨日は腹が立って、とても冷静とは言えなかった。今日は少し落ち着いている。
 
 きっと何か良い方策を考えてくれたに違いない。高架列車から見下ろす海の反射が
 
眩しくて、その後になにかありそうで、期待せずにはいられない。
 
 K歯科医は色々調べてくれたようだ。準備して待っていた。
 
「バランスが崩れて直立できないのは、歯の噛み合わせが急激に変わって狂ったためです。
 
全身の筋肉の緊張はいつ取れるか分かりません。筋肉については詳しいことは知りません」
 
「じゃあ、どうすれば……」
 
「歯について、僕は専門ではなくて、よく分からないので、開業医の先生を紹介します」
 
「はっ?!」
 
「開業医の先生と僕とタイアップして治療に当たりましょう」
 
「ここで治してくださらないでしょうか。治療を始めて二年になります。私も疲れきっています」
 
「歯のことは知らないので、歯は開業医の先生に任せて、顎関節は僕が診ます」
 
 そんな! 今さら、歯のことは知らないなどと、よく言える。「痛みを我慢して乗り越えたら、
 
あなたの歯治る。二週間、痛いままでも取り返しの付かないことにはならない」 そう断言し
 
たのは誰だったのか。知らないのなら、そんなことを言うべきではないだろう。
 
 憤慨と落胆のあまり椅子から滑り落ちて、その場にへたり込んでしまいそうだった。
 
「それに今すぐ治療はできません。筋肉が緊張した状態でブリッジを作くって嵌めることは
 
できないのです。筋肉が元に戻らないと作れません」
 
「いつ元に戻るのでしょうか」
 
「そんなこと、わーかりません!」
 
 ふざけたような、フンといった感じで言い放った。冷たく突き放されたように胸に刺さる。
 
 K歯科医の話によると、私よりも年配の患者さんで似たような状態になり、杖をつかないと
 
歩けなくなった人がいるそうだ。一歩足を前に出すのもバランスが取れなくて、怖くて、
 
そろそろとしか進めないと言う。
 
「あなた、食べ物を噛むたび、歯の噛み合わせが合っているかどうか気になる人ですか」
 
「そんなこと考えたこともありません。いちいち気になる人がいるのですか」
 
「僕は、気になります。あなたも、そういう神経質な人かと思ったのですが」
 
「まったく、そんなことはございません」
 
 細かいことが気になって、なかなか治らないタイプと思ったようだ。
 
 私は、自己評価では図太いとも神経質とも思っていない。あっけらかんとして陽気なのが
 
取り柄だと夫は言う。ずさんで細やかさに欠けるが、とも言う。
 
「でも、そこまで気になる先生が、ご自分の歯を治療される歯医者さんはどちらですか。
 
紹介するなら、そこにしてくださいませんか」
 
「ア、ハハハハー」
 
 そんなに上手な歯医者がいるなら、早く紹介してくれれば良かったのに。
 
「ちょっと、へんこつで、変わり者やけど」
 
 結局、K歯科医の昔からの知り合いで、私のような患者を以前にも紹介したことがあると
 
いう開業医へ行くことになった。
 
 一カ月に一度は、K歯科医の診察も受けるよう指示される。
 
 とにかく顎関節が落ちないよう、早く仮歯のブリッジを入れなければならない。本物の
 
ブリッジは筋肉の緊張が取れてからでないと作れないそういうことらしい。
 
 もともとの歯の痛みについては、まったく分からないようだ。歯のことは知らないの一点張り
 
だった。帰りぎわ、筋肉のことや噛み合わせのことについて、名古屋大学の教授が書い
 
くれた。
 
 紹介してくれた次の歯医者は、ちょっと偏屈だという話だが、腕さえ良ければ構わない。
 
 支払いを済ませると、すぐに病院の玄関先で予約の電話をかけた。留守番電話だった。
 
休暇中で、十日後でないと帰らないらしい。名前と電話番号を残した。拍子抜けがする。 
 
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        三  貰った本に書いてあった     
 
 
 自宅に帰って、さっそくK歯科医から貰った本を読んだ。
 
 最近分かってきた最前線のことが書いてあった。こんなことがあるのかと驚いた。同時に、
 
やっぱそうなのだと安堵感を覚えた。私の苦痛、訴えが嘘ではない、信じてもらえるという
 
安堵感だ。
 
 その本には、噛み合わせと全身の関わりが説明されている。
 
 噛み合わせが、姿勢、腰痛、肩凝り、いびき、顎関節症、さらには、視力、知能にまで深く
 
関係しているらしいのだ。
 
 平衡感覚を司るのは三半規管と眼だけと思っていたが、歯根を包む歯根膜、首の関節に
 
あるセンサーも関係していると言う。
 
 八月のあの時以来、直立姿勢が不安定で、右片脚立ちは全くできず、歩いていても、よく転
 
ろんでいた。家の中でも、毎日、同じ電気のコード、敷居に必ず躓く。転けそうになる。時に
 
転ける。あると分かっているのに、躓いてしまう。自分でも滑稽だった。
 
 そうだったのか。歯が急に動いたので歯根膜への刺激が急に変わり、平衡感覚が狂ったと
 
いうことなのか。そう納得がいった。
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 しかし、読み進むうちに、安堵感は吹っ飛んだ。
 
 歯の噛み合わせの異常で姿勢制御筋の緊張が始まると、その影響がたった一日で全身に
 
がる。噛み合わせを正しく調整しても、姿勢が正常な状態に戻るのに一週間以上かかる。
 
そう書いてあるではないか。
 
 私の場合は噛み合わせは依然として悪いままだ。筋肉の緊張は二週間以上続いていたし、
 
少し緩んだとはいえ、まだ続いている。それに、筋肉の緊張が取れないと、仮歯しか入れら
 
れず、本物のクラウンなどは作れないとK歯科医に言われた。それでは、噛み合わせを正しく
 
調整できない。噛み合わせを正しく調整しないと筋肉の緊張は取れないと言うのなら、
 
鶏と卵、どちらが先かという話で、お先真っ暗だ。
 
 K歯科医が「わ―かりません」と言うのも当然かもしれない。
 
 歯を噛み合わせても、上下の歯列の咬合面が地面と平行に感じられない。左奥歯が低く、
 
順に斜め上に上がっていって、右側の奥歯が一番高い位置、頬骨の上端の裏あたりにある
 
ようにる。舌で上下の歯の咬合面をグルッと嘗めてみる。その感じも、噛み合わせたとき
 
とは、なんとなく違っている。鏡で口の中を確かめた。ほぼ水平に上下の歯は並んでいるよう
 
に見えた。
 
 しかし、見た目くらいでは正確なことは分からないだろう。口の中は感覚が鋭いところだ。
 
髪の毛一本、砂粒一つでも舌や歯は感じ取る。歯がほんの少し低くても高くても、不快感を
 
感じるところなのだ。
                                    P1000498              
 
 犬の散歩に行く。足を前に一歩出すたび、歯が口の中で斜めに列んでいるのが気になる。
 
どう歩いたら良いのだろう。いろいろと姿勢を変えてみる。少し背骨を後ろに反らせ踏ん反り
 
返って歩いてみた。日本古来のナンバ歩きも試した。右手、右足を同時に出す、次は、左手、
 
左足を出す。気持ちが良くて、犬の散歩はこれに決めた。他人が見たら滑稽だろう。近所の
 
見られないよう散歩は夜にした。
 
 K歯科医が、食事で歯を噛み合わせるたびに、きちんと噛み合っているかどうか気になると
 
言っていた。その意味に思い当たることがあった。
 
”臓器識”という言葉を聞いたことがある。内蔵などが正常であればなにも感じないが、
 
異常があれば痛み、けだるさ、その存在などを感じる。胃を患うと、胃が痛いと感じる。胃の
 
位置が判る。臓器を認識する、意識するというのは異常があるということらしい。
 
 噛み合わせに異常あると、きっと不快感があるのだろうK歯科医は受け口を手術して
 
治したと言っていた。私も筋肉が緊張して噛み合わせが異常になったから、こんなに気になる
 
ようになったのだろう。そう納得した。
 
 
 
 その後、一年以上経って、大学病院の歯科医に、過緊張した筋肉の緊張は完全には取れ
 
ないと言われた。
 
 顎関節を患っていた知人の場合、かかりつけの歯科医は筋弛緩剤をすぐに処方してくれた
 
らしい。私の場合も、すぐに筋弛緩剤を処方してくれていればと恨めしい。数年経っても
 
筋肉の緊張が取れずに歯の噛み合わせの調整もできず、まともに食事もできない、ついに脚
 
の筋肉の緊張が原因で松葉杖を突く。そんな羽目には、ならなかっただろう。
 
              P1000501       つづく
                                                                                                                                 
 
 
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歯科治療8年の苦労ばなし  18 への18件のフィードバック

  1. hulala より:

    こんにちは
    読むたびに大変な治療を受けているのだな、と思います。
    それに歯の噛み合わせが体に影響を与えているなんて知りませんでした。
    また今日のブログはもう一度、読んで頭に入れなければ・・・と思います。
    hulalaも歯科に定期検診に行ってきました。4か月に一度ですが、行っていると安心します。

  2. 乙女 より:

    噛み合わせが視力・知能にも関係するなんて知らなかった。
    ましてや平衡感覚にまで影響して、
    まっすぐに歩けないなんて^^;)
    大変な治療を受けていたんですね。
    恐い話です(>0<)

  3. じばこ より:

    どんどん身体の調子が、散歩の歩き方まで気にかかるまで悪化して
    いったのですね。
    あ~言葉が出ません(--〆)
    調子が悪くなっていくを見過ごして、加担して、医者と言えませんよね。
    今は、だいぶ良くなったと言われてますが、まだまだ本調子では、ない
    のですね。
    堅いパンを食べたいでしょうね(/_;)

  4. 洋子 より:

    噛み合わせのあたりを読ませていただいているうちに
    自分の噛み合わせも気になってしまいました(^_^;)
     
    お写真の方は活気に溢れていますね。

  5. Misa より:

    こんばんは☆
    本当に、髪の毛一本入っても、口の中ってすごく敏感ですよね。
    歯のことがわからない歯医者さんってどういうことですか!?
    あり得ない・・・看板掲げるなと言いたいです!
     
    外国の市場って歩いていると楽しいですよね。
    美味しいパン・・・食べてみたいな。
     

  6. 白い花 より:

    hulalaさん
    いつも読んで下さって、有り難うございます。
    私も、あの本を読むまでは、そんなことは知りませんでした。
    なんでも広く浅く囓る必要があるなあと思いました。
    無知は罪悪ですね。

  7. 白い花 より:

    昔の乙女さん
    だんだん怖い話になってきますが、いつも有り難うございます。
    やっぱり御存知なかったのですね。私もビックリしました。
    本当に怖いです。
    落とし穴がどこにあるか分からないという感じです。

  8. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    いつも優しいお言葉、有り難うございます。
    柔らかいものばかり食べていると、ストレスになります。
    時々、歯ごたえのあるものが無性に食べたくなるのです。
    堅くはないのですが、おばあちゃんのぽたぽた煎餅?だったかな、
    を、せめて音だけでもと、ばりばりいわせて食べています。

  9. 白い花 より:

    洋子さん
    いつもコメント有り難うございます。
    あまり気にしないで下さいね。誰でもこうなるわけではないのですから。
    バザールは、すごい大きな規模で、端から端までは歩けませんでした。
    ほんの一部見ただけです。

  10. 白い花 より:

    Misaさん
    いつも精神衛生上良くないようなのを読んでいただいて、申し訳ないです。
    看板掲げるな! と私も言いたかったです。
     
    私は知らないところへ行くと、市場とか、動物園、遊園地に行くのが好きです。
    へえと思うような発見があって楽しいですよね。

  11. ♥さらん♥ より:

    こんばんは^^
    歯で苦労されているんですね。
    今度ゆっくり最初から読まさせていただきます。

  12. 白い花 より:

    さらんさん
    有り難うございます。
    暇なときにでも読んで下さいね。ちょっと長いですが・・・

  13. Nami より:

    医者の態度にいらいらしますね。
    わーかりません!とはどういうことですか~!!!
    特別な状態なんですね。
    それで、結局は良くなるんでしょうか?
    心配です。
     

  14. Unknown より:

    きょうは、いきなり18話を読んじゃいました。
    「臓器識」って言葉は初めて聴きますが、妙に納得できちゃいます。
    小生の場合、子供の頃からなんだかんだと皮膚に異常を感じた事を思い出します。
    で今は、表皮と真皮をくっつけている(糊みたいな働きの)デスモグレインを攻撃する天疱瘡。
    発病時は、胸・背中の広い部分の表皮が剥がれ落ちました。不気味なほどに。
    空気乾燥時期のこれからは、ポリポリカリカリが始まります。子供の頃からですが。
    皮膚を掻いたりして刺激を与えると天疱瘡の皮膚症状が始まる事があります。(ニコルスキー現象って言います)
    で、今は皮膚症状は全く消えていますが、発病以来、髭剃りは刺激の少ない電器髭剃り器になりました。
     
    歯の噛み合わせが体のバランスに大きな影響を与えてしまう事。
    歯科治療から全身の不具合に進展してしまう例の多いことは、これだったんですね。
    もっともっとこのことを歯科医自身が理解し、治療前にきちんと説明すること、又治療後のアフターケアを徹底して欲しいものですね。

  15. ぷち より:

    私も小さい時から歯が悪くて…歯医者通いはずいぶんと経験しておりますが…正直あまり信頼出来る歯医者に当たったことがないように思います。でも白い花さんの場合は特別酷いですよね…ここ何年か歯医者に行ってないので、いいかげん行かないとたぶんかなり悪い状態になってる気がするのですが…ちょっと行くのが怖いです…(¨;)

  16. 白い花 より:

    namiさん
    あまりにはっきり 「わかりませーん」 なんて居直られると、
    もうどう言って良いか分かりません。
    なかなか治りません。悲しいですが・・・

  17. 白い花 より:

    音羽の二眼レフさん
    二眼レフさんの経験?も大変ですね。
    詳しく、読み物ふうに書いてはいかがですか。
    これは自分で体験しないと書けないものだと思います。
     
    歯科と整形外科は学問的に後進地帯のようで、まだまだらしいです。
    最近少し分かりだしたようですが、現場のお医者さんに浸透するまでには時間がかかるのでしょうね。

  18. 白い花 より:

    ぷち・ぷち・Pさん
    歯が悪くて、歯医者に通い慣れている?方のほうが、
    色々知識をお持ちで、私みたいなヘマはなさらないのでは。
    私は結構丈夫な歯で、歯について本当に無知でした。
    10年ぶりに痛くもないのに歯医者へ行ったのが、間違いだったと後悔しています。
     
    怖がらせて、申し訳ないです。ごめんなさい。
     

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