歯科治療8年の苦労ばなし  23

 
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 今日の写真は、ホテルにたった一つあるレストランです。
 
取り立てて特徴はないのですが、やっぱり当地の雰囲気が出ていると思いませんか? 
 
 歯の方は、6月から比べると3歩前進2歩後退のような。で、1歩前進。螺旋状に回復して
 
いくのかなあと、そんな気がします。
 
今週は、月曜日は6月からお世話になっている民間病院の補綴専門の歯科へ、金曜日は
 
5年来診ていただいている大学病院の歯周病科へ行ってきました。二人の先生とも丁寧に
 
疑問に答えてくださり、帰りは笑顔でかえしてくださるので心が安まります。
 
それに大学病院までは山の中の高速を3時間ほど走るのですが、そろそろ紅葉が始まっ
 
ていて、雨上がりの気持ちの良いドライブでした。今年の紅葉は当たり年のようですよ。
 
 今回は、第十四章の七軒目の歯医者の続きです。
 
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         「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
  
    第十四章  七軒目の歯医者
 
 
                   六  Oリングと超能力
 
 
「はい、親指と人差し指でOの形を作って、ここに立って下さい」
 
「こうですか」
 
「はい、いいですよ。次は座って下さい。口を開けて」
 
 弱い電流が通っているのだろうか。テスターのようなもので歯一本づつに触れ、そのたび
 
なにか衛生士に記録を取らせる。クラウンを作るときは石膏で型も取るが、歯の位置や高さ
 
を決めるのに、これで確認しているようだ。
 
「この方法が一番確かなのですよ」
 
「先生、以前、その方法を説明した本を貸してあげると仰いましたよね。そのとき、たまたま、
 
ここにないとかでお借りできなかったのですが、今は、ございますか?」
 
「ああ、ちょっと見あたりませんね」
 
「いつでも結構ですから、読ませて下さい」
 
「いいですよ」
 
 初診の日に読みますかと薦めたのに、今だにその本が出てこない。いったいあれは
 
なにをしているのだろう。その本を読んで確かめないと。
 
   テスターのような物に流れている電流のせいなのか。もともとなのか。歯医者の手の指の
 
関節は異様に節くれ立って腫れていた。背は低くて小柄なのだが手の指の関節の太さだけ
 
が目立つ。黒ずんでグロテスクなのだ。マダガスカルに棲む、長くて節くれ立った大きな手の
 
指を眼の中に突っ込んで目脂を掃除する、メガネザルに似た動物を思い出してしまう。
 
アイアイとか言った。
 
 結局、親知らずは抜かないことになったが、こんなふうで治療はうまく進むのだろうか。
                                                     
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 T病院のK歯科医のところへ月1回の診察に行った。
 
「どうですか、調子は」
 
「治療が進んでいるようには思えないのですが、あちらの先生は、難しい問題はまったく
 
なくて、ブリッジとクラウンを一個ずつ作り替えていくだけだから、春までには治ると
 
仰っています。そうですか?」
 
「そう言ってますか。焦るのはいけません。ゆっくり時間をかけて下さい」
 
「ええ、でも…あのう…一度、お二人の先生で話し合っていただけませんか?」
 
「僕から、あの先生には何も言えません」
 
 ええっ?!
 
 五軒目の歯医者には、無責任なほどの指示をしっかり出したのに、今度はどうしてでき
 
ないのだろう。
 
「他には何かないですか」
 
「先日、亡くなられた奥様のお話をして下さいました」
 
「ほお、それは珍しい。もうだいぶ今の先生に慣れましたか」
 
「偏屈だとお聞きしていましたので心配していましたが、それほどではないと思います」
 
「いやいや、まだまだ判らないですよ」
 
「はあ?」
 
「ところで、あのOリング、あんなもの信じられますか」
 
「えっ! あれは…。ああ、世の中まだまだ解らないことがあるでしょうから」
 
「とにかく焦らないで下さい。では」
 
「口臭が気になりますので、お薬を出していただけませんでしょうか」
 
「そんなもの、僕に言わずに、向こうの先生に貰って下さい」
 
 えっ!? 
 
 病院からの帰り、K歯科医の言葉を思い出していた。
 
 あれはOリングと言うのか。とっさに、ああ返答したけれど、自分が信じてもいないのに、
 
そこへ患者を紹介するだろうか。無責任ではないか。
 
  それに、どうして二人で話し合ってくれないのだろう。二人の医者の意見が違うのに患者は
 
どう理解すれば良いのだ。大病院の歯科部長と町の小さな開業医という立場の違い以上に、
 
二人の間には、なにかわだかまりがあるように思えた。
 
 考えると気分がますます重くなる。 こんなで歯は治るのだろうか。
 
 帰宅して直ぐに、Oリングについてなにか知ってそうな友人に電話をかけた。
 
「Oリング? 知ってるよ」
 
「知ってるの! なんなんそれ」
 
 民間療法の一つで、指でOの形を作り、それを引っ張って簡単に外れるか外れないかで、
 
さまざまなことを判断するらしい。友人の近所にそれに凝っている人がいて試してもらった
 
ことがあるが、信用できるようなものには思えなかったと言う。   
                                              
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「K先生から全面的に任すと言われました」
 
 はあっ!?
 
 患者の私に相談も無しに、突然そんなふうに一方的に言われても。しかし、月に一度の
 
K歯科医の診察はそのままだ。取り立てて変わることもないだろう。
 
 ところが七軒目の歯医者の態度が大きく変わった。今までも実際にはOリングを使って
 
治療をしていたのだろうが、こんな明からさまなことはなかった。
 
 「あなたは、青い魚にアレルギーですね」
 
「はい、体調が悪いと鯖で蕁麻疹が出ることがあります」
 
「すごーい!」
 
「えっ? なにがですか。鯖にアレルギーということが凄いですか?」
 
「僕の超能力です。あなたについて一人Oリングをしたのですが当たりましたね」
 
「はあー? そのことは初診の日に問診票に書きましたが」
 
「そんなの読んでない!」
 
「えっ? でも問診票だけでなく、仮歯のプラスティックにアレルギーだと分かったときにも、
 
そのことはお話しましたよ」
 
「それだけではないのです。電車で前の席の五人が、僕が思っていたとおりの駅で
 
降りたのですよ」
 
「……」
 
「姉のことも電話だけで、そのときなにをしているとか、指輪をしているとか当てました」
 
「……」
 
 こんな状態が日増しにエスカレートしていく。
 
 すぐにでもここを止めたかったが、切り出せない。たまたま夫がT大病院のK歯科医と
 
面識があって、お任せ下さいと声をかけられていたのだ。
 
                              P1000243          つづく
 
 
 
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歯科治療8年の苦労ばなし  23 への12件のフィードバック

  1. booo より:

    なんかストレスが溜まる通院ですね。。。どんな世界でもそうだと思いますが、医者である前に一人の人間としてしっかりとした対応をしてほしいですよね。。

  2. Misa より:

    こんばんは☆
    ・・・怪しすぎます・・・
    Oリングが、と言うよりも、それを最優先にしているお医者さんが!
    患者さんを前に、超能力ごっこで喜んでいるお医者さんが!
    大体、問診票を読んでないって、どういうことなんでしょう????

  3. 洋子 より:

    Oリングの効果(の思い込み?)を自慢する歯医者さん、
    k歯科医、どちらもいい加減な感じで不安ですね。
    これじゃ信頼して任せられないですよね・・・

  4. じばこ より:

    ホント、、、よくぞ、こんな医院を紹介する医者も医者。
    なにが、お任せ下さい_ですよね。余りに、酷すぎます(-"-)
    でも、現在も大学病院は、高速で3時間かかっていっているなんて。。。
    こちらからすれば、都会に住んでおられると思っていたのに(+o+)

  5. ぷち より:

    ほんとにいい加減な歯医者さんですね・・・
    私も先週いつまでも痛みが続くので、心配したお友達から
    歯科医を変えた方がいのでは?と何度も言われました・・・
     

  6. 白い花 より:

    boooさん
    ストレス溜まって8年が過ぎました。
    一度つまずくと、こじれて、なかなか巧くいかないものですね。
    医者不信、人間不信になりそうです。

  7. 白い花 より:

    Misaさん
    こんなのありかと、驚いてしまったのですが、
    なかなか次の歯医者がみつからなくって、ダラダラいってしまいました。
     
    問診票を読んでいないというのにも驚いたのですが、
    他の歯医者さんでも、読んだけれど忘れるのか、似たようなことがありました。
    年寄りはやっぱり記憶力が低下していると痛感(自分自身の経験も含めての判断です)。
    それにくらべ、大学病院の若い先生は救急で1度診て貰っただけでも、きちんと記憶していらっしゃいました。
    できれば40代の先生が良いなあと思った次第です。

  8. 白い花 より:

    洋子さん
    さっさと見切りを付けて他へ替われば良かったと、今になって思うのですが、
    その時は、適当な他の歯医者は見つからないし、歯は痛いしで、4カ月も通ってしまい、
    結局、悲惨な結果になりました。

  9. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    人を見る力、すばやく決断する力が、私にはないのでしょうね。
    これで人生ここまで来たのですから、もう変えることはできないのでしょうね。
     
    往復3時間(余裕を見て4時間とっています)はちょっと遠いのですが、
    景色が良いので、これもなにかの縁かと思って通っています。
    こんなことでもないと、四季折々の山の景色を楽しむこともないでしょうし。
    国公立の大学で歯学部のあるところは全国に数えるくらいしかないようです。
    私は神戸なのですが、大阪まで行かないとないのですよ。
    それと今は補綴は民間の病院にお世話になっていて、歯周病科の治療もそちらに変わっても良いのですが、
    大学病院で5年間も診ていただいた歯周病科の先生が、とっても親切で優しいので、
    そのままお世話になっています。行く度、丁寧に経過を聞いてくださって心が安らぐのです。
    それと継続で状態を知っていてくださる方がいてくださッた方が良いとも思いまして。
     
     

  10. 白い花 より:

    ぷち・ぷち・Pさん
    痛みの原因や治療の方法、見通しを、はっきり説明して下さるのなら、
    良いかもしれませんが、そうでないのなら転院を考えても良いかもしれませんね。
    このブログの初めのほう、確か2話にも書いたと思うのですが、
    30分に一人くらいの割合で予約を入れる歯医者さんかどうかが、判断の目安にもなるそうです。
    脅かすつもりはないのですが、2週間以上の激痛を我慢すると、
    人によっては慢性痛に移行することもあるらしいです。鎮痛剤で痛みを取る方が良いと聞きました。
     
    早く痛みが取れれば良いですね。お大事に。

  11. omi より:

    こんにちは☆
    とうとう僕も人生初めての虫歯治療に挑みました。
    というより、歯石をとってもらおうと行ったのですが、
    奥歯が虫歯ですね~。と言われ、ほとんど説明もなしに、
    即麻酔、即削られ、即詰め物となりました。
    従妹が勤めているところですし、町では有名な歯医者さんなので、
    信頼はしているのですが、朝になっても、痛いです。
    歯を削る音は、ほんと恐怖ですね。

  12. 白い花 より:

    omiさん
    ”人生初めての虫歯治療” ですか!?
    私も8年前までは、まあまあ良い歯の方だったと思いますが、
    それまで何度かは治療経験ありでした。
    よっぽど歯の質が良いのか、唾液の質が良いのか、日頃の手入れが良いのか、でしょうね。
    男の人は女の人より、骨とか歯とか頑丈に出来ているのでしょうか。
    我が夫も、ろくに歯を磨かなくても虫歯になりません。
    大学病院の歯科でも患者の3分の2は女の人のようです。
     
    あの機械音、いつ聞いても嫌な感じでしょう。
    それにしても、まだ痛いのはどうしてでしょうね。
    早く治まりますように!

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