歯科治療8年の苦労ばなし  24

                 
                     P1000290 
 
 今回の写真は、我が家から北の山側へ1時間くらい車を走らせた田舎のものです。
 
 歯の方は、前回同様で大きな変化はありません。
 
年末年始、人前で食事が出来ないと都合が悪いので、低く削ったクラウンや部分入れ歯を
 
高くして欲しいと頼んでみました。でも、噛みしめた歯形がスプリントに付かないようになり、
 
噛み合わせが安定しないと、歯の状態を変えるようなことは出来ないようです。
 
今は噛み合わせが崩壊寸前の崖っぷちにあるから、このまま我慢して年を越すようにと、
 
ちょっと脅かされました。”大きく見ると治療は前に進んでいるようですが、日常生活が不便
 
なのが辛い”という私の言葉には、歯科医は深く同情してくれたようです。
 
 今回も、第十四章の七軒目の歯医者です。歯の治療の中身の説明ですので、
 
読みづらいかも知れませんが、歯に関心がある方は、こういうことも知りたいようなので、
 
書いてみました。
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             「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
  
    第十四章  七軒目の歯医者       
 
 
          七  クラウン三本を作り替える
 
 
 週に一度、プラスティックの仮歯の形と高さを少しずつ変えて三カ月が過ぎた。
 
 親知らずを抜かずに治療を続けていたが、巧くは進まない。歯医者も患者の私も苛立っ
 
ていた。とうとう、左側下の仮歯のブリッジだけでなく、右側下の金のクラウン、さらに左側上
 
のクラウン二本まで立て続けに作り替えることになった。
 
 
 
 歯列全体が歪んで合っていない。だから、左側下のブリッジの仮歯だけを調整しても効果
 
がない。全体をなんとかしなければ。それで、右下第二大臼歯第一大臼歯も、作り直し
 
た方が良いという
 
 第二大臼歯はセラミックとプラスティックの混合物が詰めてある。四軒目で入れた。
 
第一大臼歯は神経を抜いて金のクラウンを被せてある。二軒目作った。
 
 あの大き過ぎる仮歯の事件以来、上を向いて眠ると喉が詰まりそうになってゴボゴボと
 
いう音で目が覚める。だから横向きに寝ていた。その原因は、奥歯が低くて舌が奥に
 
落ちて息が詰まるだから、歯を高くするか、マウスピースを着ければ良いと、
 
耳鼻咽喉科で言われていた。
 
「じゃあ、二本の歯とも高くしましょう。試しに仮歯用のプラスティックを、この二本の上に
 
積んで高くしてみましょうか」
 
 二、三回試した。
 
「材質が違うので直ぐ取れるかなと思ったけど、けっこう着いてますね」
 
「金歯の上のは直ぐ取れましたが、もう一つのプラスティックとセラミックの混合のほうは
 
大丈夫でした。高くしていただいて噛み合わせが良くなったのか、
 
気持ちが良いような気がします。今日もお願いします」
 
「もうできません」
 
「えっ! どうしてですか?」
 
「第二大臼歯ですが、真ん中の詰め物がもともと大きかったからか、高くして上の歯の力が
 
強くかかったせいか、ヒビが入って二つに割れたみたいです」
 
「えっ!」
 
「上に積むのは止めて、第一大臼歯の金のクラウンから作り直していきましょう」
 
「第二大臼歯の方が低いですし、そちらからお願いしたいのですが」
 
「順番にしますから、この金歯の方からにしましょう」
 
 たった一年前に作り替えた金のクラウンを外した。五万円もしたのに。
 
 以前、T大病院のK歯科医一目で、噛み合わせの悪い形だと言っていた。七軒目も同じ
 
ように思ったらしい。躊躇なしに外せるようだった。
 
 しかし、食べ物を噛める奥歯はこの金歯しか残っていない。左右の奥歯で上下の歯が
 
噛み合う唯一の歯だ。一度は金のクラウンに作り替えたが、歯の治療を始める以前の高さ
 
と位置がほぼ変わらない唯一の奥歯でもあるこれを作り替えるのは気が進まなかった。
 
第二大臼歯を先にして欲しい。ところが、こちらは詰め物がしてあるだけで、しかも神経が
 
残っている。歯の周囲を削らずに上に足すだけというのは技術がいるだろうし、ヒビが入っ
 
たのなら、触るのは大事になるだろう。後回しにしたいわけだ。
 
 いずれ二本とも作り替えなければならないのなら、プロが都合良いと判断したほうから
 
するしかないと観念した。
 
 それにしても、ヒビが入った責任はどうなるのだ。ヒビが入った歯は抜くしかないと聞いた
 
ことがある。一本歯を抜いて、そこをブリッジにするとしたら、三本の歯を触ることになる。
 
憤慨以上に落胆していた。ところが驚いたことに、後の大学病院では、ヒビは入っていない
 
と診断されたのだ。
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 とにかく、第一大臼歯の金のクラウンを外し、保険のクラウンができた。
 
「まだ低く感じますが」
  
 高くするために作り直したのに、高くなったとは感じられない。形が前より歪だ。歯の前後
 
階段状に段が付いている。後ろ半分が低い。それは後奥の低い第二大臼歯に高さを
 
合わせていた。
 
「この歯、段になっています」。
 
 話では埒が明かない。レントゲン写真を撮ってもらった。そんなことをしなくても一目見れ
 
判る。友人はチラと見ただけで即座に「その歯、後ろ半分低い、変な形や」と言ったのだ。
 
「この写真をご覧になれば、はっきり段になっているのが、お解りになると思うのですが」
 
「うーん、そうですね」
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 巧くいかないのは、左側下のブリッジだけでなく、右側下の歯の高さだけでもなく、
 
さらに左側上の奥歯二本の形が悪いからだというではないか。
 
「この二本の歯、噛み合う面の勾配が普通の歯の逆になっています。ほらこの模型を見て
 
ください。これが正しい形です。上下を噛み合うようにするには、上下とも勾配を正しいもの
 
作り直した方が良いです」
 
 模型と比較すると、私の歯は歯医者の説明どおりの勾配だった。
 
 左側上の第一大臼歯と第二大臼歯のクラウンを作り直すことに納得する。
 
 この二本は一年程前、三軒目が虫歯だと言って削り、その後、元の歯型が分からないまま
 
二度目に行った二軒目でクラウンを被せた。が、被せたクラウンと歯の間に爪楊枝入る
 
ほどの隙間があって沁みるので、さらにその三カ月後に四軒目で作り直した。そのときから
 
下のブリッジと巧く噛み合わなくなった。下の歯の治療が終われば上下とも作り直すと
 
四軒目は言った。その後、五軒目が上のクラウンに合わせて下のブリッジの仮歯だけを
 
作り直した。
 
 思い出してみると、我ながら呆れた。これでは巧くいくはずがない。
 
 誰かの獄中記に書いてあった。後で色々反省は出来るし批判も出来るが、それは過去の
 
こととして全貌が分かっているからだ。その時点では、その後のことなど分からない。
 
推測あるのみよほどの賢人でもない限り、過去の時点と未来の時点との考えが同じに
 
などならないと。
 
 そうだそうだと自分を慰めた。                                            
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 右側下の歯は保険で作ったが、左側上は自費の歯を入れることになった。
 
 その理由はこうだった。
 
 左下ブリッジの前の脚になる歯は口を開けた時、前から見える。審美性のため、金属の
 
上に前側面だけ白いセラミックを張った自費のものにする。上下の金属が同じでないと、
 
噛み合わた時に電気が走り、銀紙を噛んだような嫌な味がする。だから、下が自費なら、
 
上も自費のものにして同じ金属にしなければならない。
 
 しかし、それも、後の大学病院では違った説明だった。教科書にはそう書いてあるが、
 
大した金属の量ではないから、そんな心配はする必要ないと一蹴されたのだ。
 
 友人の一人は町の歯医者に言われて、いつも上下同じ自費の金属にしていると言う。
 
 いったい誰の言うことを信じれば良いのか、不信感が募るばかりだ。
 
 この時は七軒目の説明を信じていたので、上下同じ金属になるように自費のものにした。
 
笑った時に前から見える一本は、本体は金属で前側面はセラミックを張ったもの、その奥の
 
もう一本は金属だけのもの。
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 上下五本、同時に作ると言っていたが、上二本が先にできてきた。
 
「保険で作った方が、僕が失敗しても、後の先生が気楽に作り替えられると思うけどな」
 
 今さら、そんなことを言うなんて。自信がないのなら作る前に言ってくれなければ。
 
 高さ、噛み合わせは、どう決めたのだろうか。下のブリッジの仮歯に合わせたのだろうか。
 
その仮歯は、勾配が逆だから作り直すことになった以前の上のクラウンに噛み合うように
 
なっいる。そんな仮歯に合わせたのなら、作り直す意味がない。
 
 新しいクラウンは、奥の歯まで前側面セラミックになっていた。前言を忘れたようだ。
 
二本で二十万円。せっかく思い切って大枚叩いたのに、噛み合わせは良くならない。
 
以前のクラウンより高さが低い。位置は、舌のある口の内側へではなく、反対に外の方へ
 
ずれている。見た目も悪い。金属の土台の上に張り付けた白いセラミックが、きちんと歯茎
 
のきわまで付いていない。金属が幅太く覗いて見苦しい。
 
「そんなん、見た目も変やわ。ホウレン草の食べカスが歯にひっかかて残ってるみたいや。
 
一本十万円もして下手すぎるわ」
 
 友人の指摘に、ますます情けなくなった。
 
 そのうえ、後日、大学病院で知らされた。前側面はセラミックではなくプラスティックだと。
 
あまりに早く、白い色が茶色っぽく変色した。変だなと思っていたのだ。どうも相場は五千円
 
から高くても二万円までのものらしい。
 
 
 
 右側下の第二大臼歯も、第一大臼歯も忘れてしまったのか。作り替えようという話には
 
なかなか到らない。
 
 Oリングの超能力と称するお呪いのようなことも、私の我慢の限界に来ていた。
 
 もう十二月が終わろうとしている。
                        051   つづく
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歯科治療8年の苦労ばなし  24 への18件のフィードバック

  1. Nami より:

    お友達のほうれん草が歯にははさかって残ってるみたいやという表現がリアルな感じが伝わってきます。
    せっかく、気持ちの良い結果が出そうだったのに、残念でしたね。
    イチョウのじゅうたんが綺麗ですね*^^*

  2. 頼基 より:

    黄金色のイチョウが綺麗ですね。
    今年は赤く染まる樹木は余り綺麗になってないみたいですが、
    イチョウはどの木も綺麗に染まっているように見えます。
     
    白い花さんのお苦しみ・経験とは、到底比較になりませんが、
    僕も小学校の歯科検診で虫歯と言われ、
    渋々歯医者に行ったら、「虫歯はないよ」と言われたことがあります。
    子供心にも???でした。

  3. booo より:

    「そんなん、見た目も変やわ。ホウレン草の食べカスが歯にひっかかて残ってるみたいや。一本十万円もして下手すぎるわ」この言葉が全てを物語っているのかも。。。ご苦労が尽きないですね。。。少しでも気分が晴れる年末年始を迎えたいものですね。

  4. じばこ より:

    皆さん、同じ感想ですね。はっきり言ってくれるお友達がいて良かった~v
    でも、差し込んだ歯のつなぎめが黒くなってしまうのは、私のもあるなあ~
    今の先生のも、そうなんです。
    前に綺麗に入れて下さった先生もいたけど、大学医師しているアルバイトで、本元の開業医は白い花さんの
    経験したような医者だったから。。。治療の上手い、今の先生に附いて行きます。
    今年の年末年始も我慢だなんて、しんどいのが続きますね。
    大きなイチョウの木ですね。銀杏も大きいでしょうね^^

  5. 乙女 より:

    歯って食べるのに必要なだけかと思ってたけど、
    「奥歯が低くて舌が喉の方に落ちる」ってそんな事があるんですね。
    読んでいて無責任な歯医者に怒りを感じました(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

  6. 洋子 より:

    歯の影響で睡眠が阻害されたりもするのですね・・・
    以前の記事では姿勢にも影響が出るとのこと。
    少しでも良い状態で年越しが出来ると良いのですが。

  7. ハクション より:

    言ったとおりになってきましたね。
    それにしても奇妙なところばかりを探し当てるのがお上手です。

  8. Misa より:

    こんばんは☆
    秋の風景のお写真素敵ですね!
    歯の噛み合せって、本当に重要ですよね。それだけで全てのリズムが狂う感じが
    しますもんね。
    お医者さん、本当に無責任…ひどすぎます。お金だって、そんなにたくさん・・・
    言うのは簡単かもしれないけれど、払うほうの身にもなって欲しいですよね。

  9. 白い花 より:

    namiさん
    あの表現、ピッタリで、言い得て妙だなあと、嵌ってしまいました。
    10人が10人とも、良く解る、巧い表現だと頷いてくれます。

  10. 白い花 より:

    頼基さん
    今年は本当に銀杏が綺麗ですね。
    今週末から東京へ行きますが、東京は銀杏の木がいっぱいありますよね。
    楽しみにしています。
     
    歯医者もみたてがあまり違うと、
    いったい誰を信じればと不安になります。

  11. 白い花 より:

    boooさん
    あの表現、我が友人ながらすごい巧いでしょう。
    私も聞いたときは、悲しいのもしばし忘れ 「ほんまや上手に言うなあ」 と感心しました。
     
    年末年始は忙しいので気が紛れて助かります。
    ただ、年のせいか馬力が続きません。もともと瞬発力だけの人だったのですが。

  12. 白い花 より:

    爺婆仔さん
    私の説明の仕方が悪かったのだと思うのですが、
    差し込んだ歯の根本が黒くなるのは、時間がたつとそうなっていくのではありませんか?
    私のは、最初からセラミック(と思っていたプラスティック)が、金属の土台の上の端から端まで付いていないのです。
    出来上がってきた最初からなのです。(嵌めてくれたとき鏡で見せてくれなかったので、気がつかなかったのです)
     
    時間とともにセラミックの差し歯の根本が黒ずんでくるのは、血液なのだそうです。
    被せるときに出血をきちんと手当てしていなかった場合にそうなると、歯周病科の親切な先生が仰っていましたよ。

  13. 白い花 より:

    昔の乙女さん
    喉が詰まってというのには、私も驚きました。
    知らないことが色々あるものだと、溜息が出ます。
     
    この先生は親切そうな感じだったのに、
    後で考えると、随分酷いことをされていました。

  14. 白い花 より:

    洋子さん
    ご心配をお掛けします。
    歯一つでも色々あるので驚かれるでしょう?
    健康な時は、気がつかずに過ごしていますが、
    体のどこか一つでも故障すると煩わしいものだとつくづく思います。

  15. 白い花 より:

    ハクションさん
    本当に歯医者さんですよね。
    患者の辛がるのを見るのが、面白いですか? 建設的なアドバイスを頂けたらと思いますが。
     
    それに他の患者さんのレントゲン写真をメールで送りつけたりして良いのでしょうか。
    医者の守秘義務違反ではないですか。その患者さんの了解を取られたのですか。
    あの顎関節のサイトは患者を一本釣りするために、どなたかがしているのかと思ってしまいました。

  16. 白い花 より:

    Misaさん
    今年の秋は、葉っぱの赤いのも黄色いのも本当に鮮やかですね。
    今、庭のもみじと桜の紅葉を観ながら、過ぎゆく秋を惜しむ気持ちに浸っています。
    年々、秋を惜しむ気分を楽しめるようになってきた気がします。(年のせい?)
     
    ここで、現実的になりますね。
    以前、年配の友人が 「歳をとると、つっかえ棒代がたくさん要るようになるから、
    若いときは無駄使いしないで貯めておくように」 と仰っていました。
    最近、そうだなあ気がつきました。
    インプラントをしたという75歳くらいの人の話では、1本35万円とか。
    10本で350万円!!! えっ!
    私はインプラントは止めておこうと思いました。だって~

  17. ひだまり☆☆ニコニコ より:

    白い花さん、おはようございます^^
    (*^o^*)オ (*^O^*)ハ (*^。^*)ヨー!!
    先日はコメント、どうもありがとうございました^^
    こちらの日記を(過去の分も途中までですが・・・・)読みました。お返事が遅くなってごめんなさい。
    歯の治療で、とても大変な想いをされてきたことが伝わってきました。
    不信感の募るお医者さまのお話では、不安が大きくなっていきますよねっ。
    ひだまりも不安から抜け出せなった頃、お医者さまと信頼関係が一番の薬になって
    闇から抜け出すことができました。
    患者さんの話をしっかりと聞いてくれ、安心できるアドバイスをして欲しいですよねっ。
     
    寒桜、緋寒桜、彼岸桜についてですが、遅くってごめんなさい(^^;
    ひだまりがブログに載せた桜は木に「寒桜」と表示板がついていました。
    桜にもいろんな種類があり、ひだまりにもよくわからないのですが(勉強不足でごめんなさい)
    「彼岸桜」で有名なところがあり、春になったら写真を撮ってきますねっ。
    ひだまりのところでは、この桜(クリックして見て下さいね)を「寒桜」と呼ぶ人もいます。
    「寒桜」も早春に咲くものが「新宿御苑」にあるそうなので、桜の季節にお友達から写真を
    送ってもらうと思っています^^
     
    ひだまりはこれから仕事に行ってきます。
    今日も素敵な一日を過ごして下さいねっ^^
     
     
     

  18. 白い花 より:

    ひだまりさん
    わざわざ来てくださって有り難うございます。
    前の記事まで読んで下さって嬉しいです。
    それに桜のことまで調べてくださったのですね。重ね重ね有り難うございます。
     
    話が変わりますが、ひだまりさんのブログの字はとっても読みやすいですね。
    字が大きいし、色も綺麗だし。感激です。
    他には大きな字にしているブログは見たことがありません。
    私だけがこんな大きな字にしているのかと、異端者的で肩身が狭かったのですが、
    やっぱり大きい字は読みやすいですよね。

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