歯科治療8年の苦労ばなし  28

 
               P1000290
 
 今回の写真もキルギスのです。家族連れ、友人連れのキルギスの人々です。
 
異なる人種(生物学的区別)や民族(文化的区別)の人達がいて、顔も服装もそれぞれです。
 
 歯は来年の1月5日が次回の予約日。調子が悪いので新年一番の診察の日にしてくれ
 
した。これしかない、他に打つ手がないとはっきり言われると、反って諦めがついて落ち着い
 
ています。胸の奥に、つかえが居座るようでもありますが・・・
 
前回、スプリントの高さを足して形を少し変えていただいたのが良かったのか、噛み締めの
 
回数が減ったようです。噛み合わせの高さや形状が合わないと、噛み締めが頻繁になるの
 
ではという気がしました。良く分かりませんが。
 
 今日は、第十五章、8軒目の北国の歯医者の続きです。 
 
 
 申し遅れましたが、年末年始は何かと忙しく、ブログを1週休ませていただきます。
 
1月の2週目からまた宜しくお願いします。日頃、主婦業をさぼっていて先週から大忙しです。
 
(実は、娘が紹介したい人を年末に連れて帰るとかで、慌てふためいています)
 
お伺いできず失礼していますが、時間ができ次第お尋ねしますので、ご勘弁下さい。
 
                                      P1000368
 
 
 
          「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
   
    第十五章  八軒目の歯医者
        
           二  玉石混淆
 
 
 今度の“北国行き”では、東京に下宿している娘が、頼みもしないのに新幹線の時刻、
 
道順などを調べてくれた。嬉しいような、そんな耄碌婆さんに見えるのかと悲しいような、
 
複雑な幸福感だ。診察日を憶えていて電話をかけてくれる友人達、案じてくれる親しい人達
 
何よりの支えだと痛感する。
 
 
 
 歯医者から帰ったその夜、東京の娘の下宿で寝転がっていた。友人から電話が入る。
 
「どうだった。気になったので」
 
「ありがとう。なんだか一段落したっていう感じ」
 
「良い病院だった? 通院することになったの?」
 
「結局、大阪の病院を紹介してくれた。今日行った歯医者が良いかどうかは微妙だわ」
 
「どういうこと?」
 
「良さそうでもあるんだけど、変なところもあるのよ」
 
 歯医者での診察の様子などを一通り説明した。
 
「一番気になるのはね、その歯医者が出している新聞の記事なんだけど
 
“食生活と身体の退化”という本のパクリと思えるような院長の記事が載ってたの」
 
 その本は1945年にアメリカで出版され、1978年に地方の歯科医師会が訳本を出版し
 
ている。かなり古い、知る人ぞ知るマイナーな本だ。普通の本屋には置いていない。
 
その歯科医師会に直接頼まなければ手に入らない。
 
 近代化の波によって持ち込まれた白パンのような文明食の影響で、未開部落の人達の
 
歯が、どれほど急速に駄目になるか、白パンを知らない未開地の人達の歯が、いかに
 
すばらしいかを書いてある。
 
「ふーん、そうなの。世の中複雑ね。今の歯科治療に批判的で、より良い治療と銘打って
 
いる歯医者がねえ」
 
「あそこには、もう行かないから良いようなものなんだけど……」
 
「世間の人は、あなたみたいに、そんな変な本を読まないから幸せなのよ。アハハハー」
 
「うーん」
 
「世の中ない交ぜ、玉石混淆、残念だけどそういうもんよ」
 
 あの歯医者はどういう人なのだろう。人というのは矛盾だらけの不思議な生きものなのだ。
 
期待していたので、余計、心に引っかかってしまった。
 
 歯、歯槽骨の回復は全身の骨の状態、全身の健康状態とも関係があるということで、
 
参考のめに骨密度、視力まで測定している。それなのに、あんな測定の仕方、あの新聞
 
記事なのだ。実際の治療はしてもらっていないから判らないが、気分が沈む。
 
                                     P1000362              
 
 大阪の大学病院へ行くことになるのなら、一年以上も前に友人が勧めてくれた時に行って
 
おけば良かった。新しいところへ行くと事情を説明するのが億劫なのもあるが、
 
大学病院は研究、教育のための病院だから患者はモルモットになることを承知で行かなけ
 
ればならない。それが嫌さに遠回りしてしまった。
 
 それに、ここに至るまで性懲りもなく、自分に限って、たいそうなことにはならないと思い
 
んでいた。
 
 二年半前、歯磨きの時に虫歯の味がするので、治療は早い目が良いと、十年以上も縁の
 
なかった歯医者へ行った。なんだかんだと十二本の歯を触られ、拗れに拗れて今に至る。
 
治療はますます難しいものになり、全身にまで様々な支障が出て来た。不都合なこと不便な
 
ことのために、生活スタイルを大幅に変えることになった。
 
 思い返せば返すほど諦めきれない悔しさがある。こんな不思議なことがあるだろうか。自分
 
でも信じられない。
 
「後悔しないのが取柄やったのに、生まれて初めて、悔しい、取り返しが付かない、無念と
 
いう気持ちになったわ」
 
「ほんまやな。こんな話、間接に誰かから聞いたら信じてないわ」
 
「事実は小説よりも奇なりやな」
 
 親しい友人知人、親類縁者が言う。
                                      P1000376                         
    第十六章  大学付属歯科病院
 
            
                       一  気になる紹介状
 
 
東京から帰宅直後、次々に友人が電話をくれた。
 
「どうなったの」
 
「次に行く歯科への紹介状を貰ったわ」
 
「何が書いてあるの」
 
「さあ」
 
  しだいに紹介状の中味が気になりだした。それは補綴科宛のものだ。
 
  大学の歯科病院は、補綴科、歯周病科、矯正科などなど、科が別れ色々ある。補綴とは
 
文字通り、壊れたところを“おぎない、つづる”科だ。抜けて無くなった歯、虫歯で削って欠け
 
部分を修理し元の形に修復する。 
  
 私のこの歯の状態がそれだけで治るのだろうか。歯の痛み、顎関節の痛み、歪んだ歯列、
 
攣った筋肉、狂った平衡感覚、これら全部を補綴科で治せるのだろうか。八軒目の歯医者で
 
詳しく説明しなかったのが良くなかったのではないだろうか。話が通じていなかったのでは
 
ないだろうか。
 
 紹介状の中味が気になり始めると、居ても立ても居られなくなった。
 
 よし、中を見てやろう。
 
 最近のプラスティックの糊は昔の糊と違って、湯気にかざしても緩んで開くというもので
 
はない。レターナイフでは刃が分厚すぎて、薄い紙と紙の間に上手く入らない。手近で一番
 
薄い刃は安全カミソリの刃だ。それでも封筒の紙が破れそうになる。もともと、図画工作は
 
苦手、不器用だ。何度か挑戦したが、結局、挫折。
 
「私が開けてあげる。任せて」
 
 頼もしい友人がいた。彼女は洋裁、編み物が得意で手先の器用な人だ。きっと綺麗に開け
 
くれるだろう。彼女に託した。私や他の友人達が見守る中、彼女が挑戦した。刃が厚すぎ
 
ると思ったレターナイフを紙の端の少しめくれたところに、あっさり差し込んだ。
 
「あっー」
 
「ストップ」
 
「もういい、ありがとう」
 
 封筒の口を閉じるために被せた細い部分の紙の中央あたりまでは開いた。そこから先に
 
刃は入らず、バリッと破れてしまった。破れたところをなんとか誤魔化そうと色々してみたが、
 
どうしても破れは隠せない。私の後ろめたさがそう見えさせるのか、封をした部分は手垢が
 
付いて黒ずみボロボロに見える。
                            P1000380                
 
「アハハハハー、かわいそう。それって、如何にも開けて、見ましたという感じなのに」
 
「そう、結局、見れずに、これなのよね」
 
「アハハハッ、可笑しい」
 
「人ごとだと思って。幸先悪いわ」
 
「ほんと、かわいそう。ごめん、アハハハー」
 
 その紹介状を持って大学病院へ行く日、付き添ってくれた幼なじみが豪勢に笑う。
 
  医者はこれを見てどう思うだろうか。それでなくても、どんな病院なのか、どんな医者に
 
当たるのか心配だ。余計な気苦労が増えた。
 
「大きな病院だと、お医者が直ぐに読めるように、事務の人が予め封を切って、
 
カルテに挟むんじゃない」
 
「そうだと良いんだけど」
                   P1000374      つづく     
 
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歯科治療8年の苦労ばなし  28 への10件のフィードバック

  1. Jasmine より:

    うわー紹介状の中身気になりますね!私も、子どもを産んで、産婦人科から小児科への紹介状をもらったとき、中身を見たことがあります。それは、もう完全に形式化されてて、封筒に入っているものの、封がされていなかったんですよ。思わずコピー取っちゃった。まず宛名から変わってるんですよね。「○○先生殿」だと足りないようで、「○○先生御侍史」ってメチャメチャ丁寧(笑)中身はいたってあっさりと、分娩の状態、赤ちゃんの体重などが書かれてありました。あと、私の歯科の主治医は口腔外科なんですが、科同士で微妙にけなしあうといいますか・・・補綴科の先生は口腔外科を「抜くばっかり」と仰ってました^^;プライドって恐ろしや~~お嬢様、来年はいよいよお嫁さんになるのでしょうか?お忙しいと思いますがご自愛下さい。良いお年をお迎えください。今年は友人になってくださり、ありがとうございましたm(_ _)m

  2. 乙女 より:

    今度は紹介状の中身が気になります^^)来年はお孫さんも増えお嬢様も・・・良い年になりそうですね。お友達になって頂きありがとう!来年もよろしくお願いしますm(__)m

  3. Misa より:

    こんばんは☆明るいお友達の言葉が、お辛い毎日の中で白い花さんを支えてくれたような気がします(^^)続きがすごく気になりますが…お嬢様の話も…気になります~年末のお忙しい毎日、体に気をつけて過ごされてくださいね。

  4. じばこ より:

    御出産と、幸せ紹介人。大忙しですね、ママさんが。。。友人のお嬢さんも、この年末に連れてくると、、、旦那様が、聞いたその日から明らかに、一人燃え上っているそうです~そこまで、紹介状を頑張ったのに、結局見なかったのですね?残念でした。。。開け口汚れた封筒を持って行くのは、白い花さんなのにね^^;

  5. Nami より:

    次はいよいよ大阪付属病院ですね。でも、紹介状の中身、なんと書いてあるんでしょうね。途中まであけて、黒ずんだだけで、みれなかったのが悲しい限りですが。

  6. 白い花 より:

    Jasmineさん今頃になって申し訳ございません。新年おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。紹介状の中身をご覧になったことがあるのですね。封をしていないのは良いですよね。私のも大したことは書いていないのに、あんなに苦労して損しました。確かに口腔外科は抜きたがりますよね。簡単に抜くのはどうかと思いますが、私の場合、さっさと抜いていた方が良かったような気がします。歯と年月と、どちらが大事かという感じです。歯1本と8年だったら、8年の方が大事ですよね!?お陰様で、娘は今年春過ぎに、仕事の関係で遅くなっても、今年中には片付きそうです。上二人が男で、三番目にできた男みたいな女の子ですので、相手が見つかって本当に喜んでいます。

  7. 白い花 より:

    昔の乙女さんこちらこそ、お友達になっていただいて有り難うございました。新年おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。良い年になって欲しいものです。おみくじは末吉でした。努力と辛抱で運が開けるようです。

  8. 白い花 より:

    Misaさん友達は有り難いです。友達に助けられて今日があると思っています。歯では苦労していますが、こんなに良くしてくれる親しい人や友人達がいるのだと気がついたのは、なにより幸せでした。娘は今年28歳、二人の兄がいて、3番目にできた男勝りの女の子なので、とうてい結婚相手は見つからないだろうと、諦めていました。こんな娘でも良いと言ってくれる人がいて、本当にやれやれです。「ノークレイム、ノーリターンでお願いします」と、長男が相手の方に念を押していました・・・!!!???

  9. 白い花 より:

    爺婆仔さんおばあちゃん業、母親業、娘業とバタバタしていますが、家族が大勢いて、することがまだあるというのは嬉しいことだと思っています。でも、最近は年を感じています。年末年始の疲れがどっと出て、1月残りは休憩です。ああ、話が変わりますが、酷い顔?肌?なので化粧品を奮発しました。保湿クリームと化粧水、それと美容液とパック剤も今までよりも高価なものにしました。「地獄の沙汰も金次第」とは良く言ったものです。効果てきめんです。目の下のたるみにはイマイチですが。夫が娘の男友達というと、なんか態度が硬直するようで心配だったのですが、趣味が山登りと共通だったせいか、まあ無事に話が進み、ほっとしました。

  10. 白い花 より:

    Namiさんいよいよ大阪の大学付属の歯科病院へ行きますが、紹介状はあんなに苦労して、気をもんで損をしました。どんなことにでも喜怒哀楽があるものだと思って、自分でも可笑しくなります。ちょうど息抜きになって良かったのかも知れません。

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