歯科治療8年の苦労ばなし  34

 
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 写真は、近くの梅園へ散歩がてら(と言っても車で)行ったときのものです。
 
つぼみは堅くて、まだまだでした。でも花が咲いていている木が5,6本あって、
 
花に顔を近づけると、良い香りがしました。
 
その途中で県立農業試験場経営の野菜料理バイキングレストランでランチ。一人1500円。
 
とっても美味しいのでたくさん食べ過ぎ、消化不良気味、後が苦しくって・・・
  
 歯のほうは、次に行く歯医者はまだ決まっていません。迷っています。
 
 今回も、第十六章 大学付属歯科病院が続きます。その九の ”第三の要因” です。
 
                                  
                     向こうに見えるのは雌岡山(めっこさん)と言います。
                   私は雄岡山(おっこさん)にいます。
                      (漢字間違えていました。”岡”が必要です。申し訳ありません)

 
                「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」
 
  
    第十六章  大学付属歯科病院
 
 
            九  第三の要因          
 
 第三の要因のことは、すっかり忘れていた。スプリントを嵌めてさえいれば何とかなると、
 
“中船”くらいには乗った気でいたのだ。
                                   
 
 ブリッジの仮歯を接着剤で留めると、五軒目の歯医者で大きすぎた仮歯を嵌めたときの
 
痛みがぶり返す。しかし、仮歯は、セメントで外れないように留めなければならない。
 
 右の仮歯は留ても何ともない。
 
 左のブリッジの仮歯を留めると、ブリッジの両脚になる二本の歯の痛みが増した。締め付け
 
られるような痛みになる。顔の左側面、左顎から上は頭まで、下は左肩から背中、胸へと
 
筋肉が緊張して痛くなる。そして、この二種類の痛みが合わさって、どうしても我慢が出来な
 
い痛みに変わる。痛みの質が変わるのだ。
 
「歯の痛みにも、筋肉の痛みにも鎮痛剤が効く筈ですがね」
 
「でも、全然、効かないのです」
 
 しかたなく左のブリッジの仮歯をセメントで留めずに土台の上に被せただけにする。
 
その状態だと、筋肉の緊張は緩み、歯の痛みも軽くなる。それには薬が効いた。
 
 しかし、ただ被せるだけなので違和感が大きいし、簡単に外れる。外れると頭で知っている
 
と、無意識に舌が直ぐそこへ行く。直ぐに外れ、直ぐに壊れる。
 
 T病院のK歯科医が言っていた第三の要因とは、この痛み、あるいは筋肉の緊張のこと
 
だったのか。「筋肉の緊張が、もとに戻らない限り歯は作れません。あの歯医者へは治療が
 
目的ではなく、緊張がもとに戻るまでの時間稼ぎに、遊びに行ってもらっていただけです」 
 
T大病院のK歯科医の無責任な言い訳を思い出した。これでは、七軒目の歯医者も怒るだ
 
ろう。私は遊びに四カ月と三十万円は使った。
                                                                          
                                                                                             
 厄介な症状は、鎮痛剤の効かない歯の痛みと筋肉の緊張だけではなかった。
 
 平衡感覚が、なかなか回復しない。
 
 人間は三つの平衡感覚器と眼でバランスを取っているらしい。平衡感覚器は、耳の中、
 
首周辺、歯根膜周辺、と合計三つある。
 
 私の場合、歯の下にある歯根膜周辺の感覚器が歯列の急な変化に適応できなかった
 
ようだ。姿勢を巧くコントロールできない。少しずつの変化だと、それに合わせて感覚も少し
 
ずつ修正され不都合がないのだろう。
 
 目が見えない人の歯の治療は特に注意が必要らしい。私は目が見えている分、助かって
 
いるが、後どれくらい時間が経てば適応できるのだろう。
 
 相変わらず、絶えず躓いたり、転んだりする。真っ直ぐ歩いているつもりのときにも違和感
 
ある。道を歩いている最中に突然ドテッと横倒しになる。家の中では、電気コード、敷居に
 
必ず右脚が引っかかる。コードも敷居も目で見て、あるのが解っている。昨日もつまずいたな
 
思っているのに、つまずく。
 
 右片脚立ちはできないままだ。左片脚立ちから右片脚立ちに、すんなりと姿勢を変えること
 
もできない。ただ左脚を上げ右脚を床に着けばいいのだが、それができない。不思議としか
 
言いようがない。どうすればいいのか、まったく検討がつかないのだ。脳からの指令がないと
 
でもいおうか。体が動かない。
 
 他の二つの平衡感覚を鍛え、体全体を使うようにすれば良いと聞いた。さっそく、体操教室
 
の高齢者向けのクラスに入会した。トランポリンの上で、ポンポン跳ぶ。どうしても、右片脚跳
 
びと、左片脚から右片脚に脚を変える跳び方はできない。横のお婆さんが元気よく飛ぶのを
 
理不尽な思いで眺めた。
 
 閉じた口の中で、歯の噛み合わせ面が水平ではなく、左側は低くて、だんだんに斜めに
 
上がっていって、右側の端が耳の上まで上がっているように感じる。この感覚もなかなか
 
治らなかった。
                                                                                                                                      
 第三どころか、次々と不思議なことが続く。
 
 不眠症にもなった。
 
 不眠症にも色々あるようだが、私の場合は、眠いという感覚がなくなった。眠れない、眠っ
 
ても直ぐに目が覚める、熟睡感がない、というのではない。眠くない。眠りたいと思わない
 
のだ午前三時過ぎまでゴソゴソと起きている。家族も寝静まった。することもない。しょうが
 
ないから横になる。横になると、たいていは眠れた。朝五時半の目覚ましで目が覚める。
 
それまで朝は地獄で、朝起きることほど辛い悲しいことはなかった。それなのに、すっきりと
 
元気で目覚めることができた。不眠症などという自覚はない。ナポレオンになったと喜んで
 
いたくらいだ。(ナポレオンの睡眠時間は一日三時間と言われています
 
「睡眠状態はどうですか。良く眠れますか」
 
「はい」
 
「何時間、眠っていますか」
 
 詳しく質問されると、睡眠時間が短すぎるということになる。
 
 痛み、不安、緊張で交感神経が勝ち過ぎているようだ。食欲も落ちる。起きている時間が
 
長いのでエネルギーも多く使うのだろう。体重がどんどん減る。交感神経が緊張すると、
 
痛みをますます強く感じる。痛みが強くなると交感神経がますます緊張する。悪循環だった。
 
「眠って下さいよ」
 
「はい・・・」
 
 答えはするが、眠るということの実感が湧かない。眠るという概念が頭の中から綺麗
 
さっぱり消えて存在しないかのようなのだ。
 
 交感神経が勝ち過ぎて躁状態のようだが、こういう不眠症は鬱病の症状にもあるらしい。
                                  つづく
 
 
 
 
 
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歯科治療8年の苦労ばなし  34 への25件のフィードバック

  1. booo より:

    「人間は三つの平衡感覚器と眼でバランスを取っているらしい」眼でバランスを取っているのは分かりますが、三つの平衡感覚器があるのは知りませんでした。。。(;^_^A自分自身、体に不自由がありますので、人間のバランス感覚で眼がもの凄く重要だというのは嫌と言うほど実感しています。 そして、何も気にしていなかった平坦な道でさえもちょっとした段差やうねりがもの凄く気になったり、家の中での段差、街に出ればバリアフリーを考えていない作りが至る所にある事に気づかされます。 白い花さんの日々蓄積されるストレスが大変なものであることがとても分かります。 頑張って!(・_・)

  2. パンチ より:

    視聴覚障害者の治療要注意なの初めて聞きました。

  3. main より:

    人生ままならず、私もその例外ではありません(苦笑。悩み・苦しみ・辛さ・・・でも良かったことや嬉しかったこともあるはずです。なるべく心穏やかにお過ごし下さい。

  4. 洋子 より:

    平衡感覚器官、耳の奥は知っていましたが他に2か所あったとは知りませんでした。こんなにも影響が出てしまうものだったのですね・・・見えていてわかっているのに躓いてしまうというのはジレンマですね・・・眠いという感覚が無くなる、というのも怖いですね。友達に躁鬱の激しい人がいて、やはり酷い時は毎日白い花さんのように短時間しか眠れなかったようで精神的につらそうでした。当たり前に眠気がやってきて一定時間眠れることの有難みを改めて感じました。

  5. じばこ より:

    歯の痛みから、体にも来ていたのですね・・・?だから、この前、言われていたんだ~m(__)m先日コメントに書いた友人は、入れ歯を外した後も、狭心症のような発作があったので、彼女の場合は歯からとは違うと思う・・・と言ってました。(悪かったのは、下の歯ですから__心臓と関係あるのは、上の(左?)奥歯って聞いてます。)彼女は、狭心症の詳しい検査しても、症状デ-タ-は出て来ないのですって!女の人には、検査しても顕著に表わない狭心症があると、最近は言われているので、本当の事は分かりません。薬(ニトロ)は、常備しています。眠れないのは、一番~身体の不調に結び付きますよね。難儀でしたね。。。

  6. カネゴン より:

    平行感覚器官のお話ははじめて知りました。ご自愛ださいませ。ご訪問感謝です。

  7. Misa より:

    こんにちは。食欲が落ち、平衡感覚が狂うだけではなく、眠いという感覚がなくなるなんて、普通の暮らしからどんどん遠ざかっていくようで、当時の白い花さんの心情を考えると、本当にお気の毒だし、恐ろしいことだと思います。淡々と書かれているけれど…そのことが更に、記事を拝見している私たちに訴えてかけてくる、そんなことを感じさせますね…(>_<)

  8. hulala より:

    こんにちは梅の花がいいですね、めっさん、おっさんですか、すごい三角形の山ですね。空気がきれいな様子が写真から伺えます。

  9. みるく より:

    はじめまして。こんにちは<(_ _)>突然のお無礼をお許し下さい。boooさんのコメントを見て、訪問させて頂きました。お身体、一日も早くよくなられるといいですね。実は、私はうつ病になってもう10年になります。体は思うように動けない日が続きます。ひどい時期には自殺念慮が強く、随分入院してました。今でも、一進一退でたくさんの睡眠剤を飲んでも、夜は頭の中が覚醒して眠るどころではありません。随分とお辛い思いをされてるようにお見受けしました。きっと、よくなられる事を信じ、お祈りいたします。頑張ってください。

  10. パンチ より:

    梅林はこれからですね。

  11. 白い花 より:

    boooさん人間の体はどこか一つでも調子が悪くなると、あちこちに影響が出るものですね。目は特に大事だと思います。情報の8割?が目から入ると聞いたことがあります。大人(老人?)になってから故障が出ると、適応力が衰えていて、巧くいかないような気が・・・!?

  12. 白い花 より:

    猫 パンチさん視聴覚ではなく、視覚だけですが、そう言われれば、聴覚も平衡感覚に大事なものかも知れませんね。周りの音はいつも聞くつもりでなくっても聞こえていますよね。無意識にいろいろの判断基準の一つになっているのでしょうか。梅林はこれからですか?もし3月でもまだ間に合うようなら、大阪城の梅を見に行きたいと思います。

  13. 白い花 より:

    Elwood mainさん人生いろいろ(!?)ですか?確かに、去年の暮れに次男に3人目の孫が生まれ、4月に娘が結婚、6月に長男に4人目の孫がまた出来る予定です。でも、私の歯は・・・あーあ!

  14. 白い花 より:

    * 洋子さん私もあの時までは知りませんでした。当たり前のことが当たり前に出来るというのは大事なことですよね。なってみないと、なかなか分からないものですね。私なんか生死に別状ないし、大したことではないのかも知れないのですが、それでも、人生観が変わるほどの経験になりました。

  15. 白い花 より:

    U-・-U 爺婆仔さん歯を削られて、平衡感覚が狂ってなのでしょうか、立てないとか歩けないとか、私以外にもいらっしゃるようです。金属のクラウンに、たまたまアレルギーがあって調子が悪くなる方もいるとか。まだまだ分からないことが沢山あるのでしょうね。お友達の方もご苦労なさいますね。私は眠れなかったとき、眠れなくって辛いとかそういう感じはまったくありませんでした。ただ、いつもイライラして疲れていたと言うか、集中力、根気がなくなったとか、そういう感じでした。

  16. 白い花 より:

    赤猫トムさん有り難うございます。私もあの時まで知りませんでした。

  17. 白い花 より:

    ♪ Misaさん今から思うと、凄い緊張感の中にいたように思います。歯医者通いだけの生活でした。今だから言えるのですが、痛み止めの薬を毎日毎日あんなによくも飲んだなと、怖い気がします。いつも話を聞いてくれる友人が、話をするのも言葉を選んで話していたと、最近もらしていました。よくあんな状態に付き合ってくれたと、思い出すだけで胸がジーンとします。

  18. 白い花 より:

    hulalaさんごめんなさい。漢字間違えていました。”雄岡山(おっこさん)” ”雌岡山(めっこさん)” です。2つ並んでいます。めっこさんへは登ったことはないのですが、おっこさんへは時々登ります。(ただし車で)山頂に神社があり、天気の良い日は、瀬戸内海をはさんで淡路島が見えます。あ、そうそう、4月頃運がよければ小型のギフ蝶にあえますよ。

  19. もん より:

    梅が咲き始めると春を感じますね。ここしばらく梅の花を見ることがないので写真拝見してとても心が和みました。

  20. 白い花 より:

    みるくさんご訪問有り難うございます。私以上にお辛い経験をなさっているのですね。お察しします。睡眠剤は飲んだからと言って、そうそう簡単に眠れるものではありませんよね。私は、薬が突然切れるような気がします。夜中に突然、「はい、時間切れです」みたいに。ガバッと目が覚めて、とてもいや~な感じです。で、飲みたくありません。体を横にしていれば、休息できているのだからと思うことにしていました。それにお昼は誰もいないので、眠くなればいつでも眠れると思って。でも、お昼に眠ったことはないのです。どうしたらと悩んでいたときに、友人にエステを教えて貰いました。その人は仕事で疲れたときに、眠らせてくれるので行くと言うのです。そこは料金も安くて1回3千円、追加の超音波などを付けても5千円までです。按摩、鍼、マッサージにしようかと迷っていたのですが、エステが一番害がなさそうな気がして、ものは試しで行きました。(他のは効けば劇的に効くかも知れませんが、術者に当たり外れがあって、下手な人に当たると余計に悪くなるかも知れないので)顔だけのマッサージとパックをして貰ったのですが、それが気持ちよくって、知らないまに眠っていました。パックしてBGMの音楽を聴きながら2時間ベッドに横になっているだけなのですが、本当に眠れるのです。1週間に1度のペースで通いました。2カ月くらいで、夜も眠れるようになったのです。たまたまなのかどうか解りませんが、肌も綺麗になるし、一石二鳥でした。今も疲れると行きます。次の歯医者が決まらなくて、最近イライラしているので、明日、行く予定です。

  21. 白い花 より:

    中国では梅はあまり見かけないのでしょうか。そちらでは春の花は桃なのでしょうか?”桃源郷”という言葉もあるくらいですし。

  22. パンチ より:

    山裾に梅咲いてるんですね

  23. 乙女 より:

    歯から身体のいろんな場所に影響が及ぶなんて知らなかったし、平衡感覚まで失われ不眠症まで引き起こしてしまい恐ろしい事ですね。最後に良くなられたとの報告を期待して読ませて貰っています^^)

  24. 白い花 より:

    猫 パンチ さんおっこ山の麓に梅林があります。

  25. 白い花 より:

    昔の 乙女の部屋さん私もこんなことになるなど思ってもいませんでした。この闘病記?を書き始めたのが治療を始めて3年足らずの頃で、もうそろそろ治ると思っていました。それから6年経ちました。去年の6月に転院したときも、この病院で最後にと信じていたのですが・・・大学病院へ通い始めた6年前に比べれば、確かに良くなってきています。歯の根っこの痛みはなくなり、筋肉の引きつりも軽くなり、いろいろの症状は殆ど消えました。あとは顎関節の痛みが取れ、噛み合わせの位置ががきちんと解れば、クラウンや義歯を作ることが出来るところまで来ています。

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