歯科治療8年の苦労ばなし  42

          
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  今日の写真は、神戸の北へ一山越えた田舎で撮りました。水車は観光客用に飾られた
 
ものだと思います。
 
 歯の予約は、いよいよ来週の月曜日です。その前に、週末、娘の結婚式。と、言っても、
 
旅館の宴会場で人前結婚式と披露宴をします。新郎新婦はゆかた丹前、招待客ご自由に
 
と言うので、私達も同じにします。荷物が軽くなるので・・・。出席者には、お花見のできる
 
露天風呂付きの部屋を予約してくれていますので、早い目に行って何度もお風呂に入ろう
 
楽しみにしています。桜ふぶきの中だと良いのですが
 
 今回は、第十七章 教授が主治医 の ”3 歯から脚へ” です。
                                      
                                               
 
               「歯科巡歴の記ー蟻地獄に落ちた」 
 
  
   第十七章  教授が主治医
 
 
             三  歯から脚へ
 
 
 スプリントを付ける必要がない。痛みが心から離れ、単なる痛みに変わった。両奥の仮歯も
 
新しいものに作り替えてくれた。体重も増えた。
 
 世界が一度にパッと明るくなったのだ。
 
 
 
 ところが、喜んでばかりはいられなかった。脚の調子が、だんだん悪くなってきた。
 
 五軒目の大き過ぎる仮歯のミス以来、左の首から左腕、肩、胸、を通って右股関節、
 
右脚へと、体を左から右へとタスキ掛けに筋肉が引き攣っていた。腹筋をしようとすると、
 
ウッと喉が締め付けられる。右片脚で立つこともできない。右股関節の痛みが増し歩ける
 
距離が短くなってきた。
 
 筋弛緩剤を飲んでごろごろしているあいだに、筋力が衰えたせいだろうか。
 
 初め頃は、電車で出かけると帰りは股関節が痛くて立っていられないが、席に座ると駅に
 
く頃治っていた。それが、帰宅してからも痛くて一時間横になるようになり、
 
さらに三、四時間は横にならなければ治らなくなり、いよいよ痛くて道路の真ん中で立ち往生
 
するようになったしばらく、その場にじっとしていると痛みが薄らぐ。五メートルほど歩く。
 
また痛くて一歩も進めない。一人での外出が困難になってしまったのだ。
 
 これはもう駄目だ、自力では治らない。整形外科へ行った。
 
                      
 
 二年前、五軒目の治療ミス直後も、整形外科へ行ったことがある。
 
「歯科治療でこうなったのですから、全身の筋肉の症状は、口の中の筋肉が原因で生じて
 
いると思います。元を治さないといけません
 
 首から下の筋肉は整形外科の担当だが、首から上の筋肉は歯科の担当になると言う
 
 歯科へ紹介状を書いてくれた。歯科へ行く。
 
「歯と筋肉の関係は、最近分かってきた最前線のことなので、知らないんです」
 
 もう良い、自力で直す。
 
 平衡感覚も変になっていたので、それを取り戻すのも兼ねて、トランポリン教室に通う。
 
しかし、一年ほどで、筋弛緩剤を飲むために中止した。 
 
 
 
 今度の整形外科医は、こうアドバイスした
 
「特に異常がないので、運動をして脚の筋肉を鍛えると良いですよ」
 
 指示に従って脚の筋肉トレーニングをする。一週間で痛み増して、松葉杖なしでは歩け
 
なくなってしまった。鎮痛剤を何種類か試してくれたが、まったく効果がない。
 
 原因がはっきりしないので、念のため外科でも診てもらうようにと紹介してくれた。
 
「外科的には異常はないよ。そやけど、原因が分からんで痛いというのは、やっかいやな。
 
かわいそうやけど、これから苦労するなあ」
 
 外科医のあまりに優しい言葉に、そうなんだと納得してしまう。
 
 また整形外科へ返された。
 
「やっぱり、脊椎で神経が圧迫されているのが原因でしょうね。
 
硬膜外神経ブロック注射しましょうか。場所が分からないので、ヒットするまで
 
脊椎の上から順番にしていくしかしょうないけど」
 
 そんな、恐ろしい。
 
 硬膜外神経ブロック注射というのは、脊椎の中を通る脊髄の硬膜のすぐ外側に麻酔薬を
 
注射して神経の伝達をブロックするものらしい。痛みを和らげるが、感覚神経だけでなく、
 
運動神経や、交感神経などにも作用するという。中枢神経である脳と脊髄は、軟膜、クモ膜、
 
硬膜という三層の膜で覆われている。硬膜は一番外側の膜だ。
 
                                                                                                            
 
 セカンドオピニオンを聞きに、三軒目の病院へ行った。
 
 MRIとレントゲン写真で調べなおした。レントゲン写真は、直立したままだけでなく、前屈み
 
なったり、前の病院では撮影したことのない姿勢で何枚も撮った。正面からの全身のレント
 
ゲン写真で見ると、腰の辺りで体が緩やかな”く”の字に歪んでいる。
 
 痛くなり初めの頃は、痛みが治まると歪みはなくなり、体はまっすぐに戻っていた。痛みが
 
続くようになってからは、歪みはそのままになった。筋肉が引っ張るのか、自分で体を真っ直
 
にしようとしても出来ないのだ。
 
 検査の結果、やっぱり脊椎の中で神経が圧迫されているから、安静にするようにという指示
 
だった。原因のある場所は特定できると言う。
 
 それならと転院した。
 
 まず、今まで飲んだのとは違う鎮痛剤を処方してくれた。その薬は副作用が強くて、すぐに
 
胃に穴が開き出血する。飲むのは絶対によせと、友人も夫も忠告してくれた。 少しでも痛み
 
和らぐなら、副作用などどうでも良かった。振り切って飲んだ。
 
 しかし、その薬も効かなかった。同じ薬だが、経口よりも座薬の方が効果が大きいと、
 
次は座薬になった。大腸から吸収されると肝臓を経ずに体を巡る。肝臓で薬の成分が解毒さ
 
ないので良く効くのだそうだ。それと交感神経に作用する飲み薬と、気休めだが湿布薬も
 
処方してくれた。交感神経の薬は感覚を鈍くし痛みを和らげ、鎮痛剤の効果も高めるという。
 
  この痛み我慢して生きていくのは、私には到底無理だと思い詰めていた。その緊張感
 
和らいだ。歯の痛みも確かに辛いが、被せものを外したり、鎮痛剤を飲んだりすれば、
 
二十四時間うちでホッと休める時間が作れた。脚の痛みはそうはいかなかった。鎮痛剤も
 
効かず、二十四時間ずっと続くのだ。完全とはいかないが、それから解放された。
 
 薬が効くのは有り難いが、体はふらふら、意識はボーとして何もする気がなくなる。股関節
 
痛さと作用で階段の上り下りもできない。一階の居間布団を敷いて、一日中、天井
 
眺めた。松葉杖すら必要ない。
 
 毎晩、夫が食事を持って帰るのを待った。
 
「ご飯食べるか。食卓まで起きて来れるか」
 
「うん、行く」
 
「脚、左右の太さ変わってきたな」
 
「わかる?」
 
 医者の説明では、痛みで筋肉が痩せる。まず痛い右脚が細くなり、まもなく全身が痩せて
 
きた。せっかく太ったのに、あっという間に十キロ近く痩せてしまった。
 
                                                                  
 
 交感神経を抑える薬の効果はあったが、結局、座薬の鎮痛剤は効かなかった。鎮痛剤の
 
効かない痛みは、末端神経への刺激ではなく、中枢神経へ直接刺激が原因だ。
 
やっぱり脊椎へ硬膜外神経ブロック注射をするしかないということになった。 
 
 ベッドの上にうつ伏せに横たわる。背骨の際に麻酔薬が入った注射針を刺す。体が大きく
 
バウンドする。
 
 これで目的のところへ注射できているのだろうか。
 
 日を開けて三度試した。目指す右脚の神経にヒットしない。左足が、次はお尻がしびれた。
 
三回目左上半身に効いて、病院の廊下で松葉杖もろとも倒れてしまった。
 
 以後、やっぱり座薬の鎮痛剤のせいだろうか、下血。注射の後遺症なのか、頻尿に、便は
 
自力では出なくなる。夫がその面倒もみてくれた。夫の存在が、これほど有難かったこと
 
ない。今までのどんな悪行も、すべて水に流してあげねばと思ったくらいだ。
 
                                     
 整形外科医は、まったくお手上げのようだった。
 
「なんでやろ。右脚に効くはずやけど。神経内科で詳しく調べて、注射は麻酔科に頼もうか。
 
麻酔科では慢性痛の治療もしてるし・・・」
 
「他に方法がないのなら、お願いします」
 
 初診時に漏れ聞いた、他の患者とこの医師の同じような会話を思い出す。
 
 三度も失敗するなんて気の毒な人もいるものだと同情したが、まさか自分自身が同じこと
 
なるとは夢にも思わなかった。あの会話を聞いたときに、この医師は藪だと判断するべき
 
だったのだ。
 
 友人も、あきれて言った。
 
「そんなん聞いたら、さっさと帰って来るやろ。普通は」  
 
                                         つづく
                                                                             我が家の椿です。蕾の時に虫に喰われて・・・
                                                                                       
 
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歯科治療8年の苦労ばなし  42 への11件のフィードバック

  1. abend より:

    こんにちは。水車が似合うような季節になってきましたね。娘さんの結婚 楽しみでもあり寂しくもあるでしょうね。椿の虫食い 残念ですね。紫はヒヤシンスでしょうか?綺麗に咲いてますね。^^

  2. booo より:

    娘さんのご結婚、おめでとうございます!(^^)・・・・で、白い花さんは、とんでもない事になってきましたね。注射すべき場所を特定できないで、してはいけないと思う。特に神経が関係しているのでしたら、MRIなどの精密検査で徹底的に調べて、行わなければいけないと思う。もちろん、追い込まれている白い花さんのせいではないですよ。医者の対応、判断に問題がありすぎだと自分は思います。。。

  3. Nami より:

    いよいよ。結婚式ですね^^おめでとうございます!出席者には桜が見れる露天風呂つき!それも身軽にいけるということでなんと親切なんでしょう*^^*娘さんの良い門出となりますように。今度は脚の方が大変になられたようですね。でも、こういうとき、旦那様のありがたみがひしひしと伝わってきますね。歯も脚も良くなりますように。。。

  4. ミッキー・フォール より:

    こんばんは~!水車は、水田に水を張るために使われているんですね。一難去ってまた一難・・・白い花さんの前に、救世主たる医者は現れないのか!と思ってしまいました。旦那さまが、献身的に看病してくださって良かったですね!露天風呂では、桜が舞ってくれるといいですね。椿の虫食いは、切り絵のようです。。^^

  5. じばこ より:

    どうして┗(|||`□´|||;;)┛、あんなに良くなる寸前だったのに!こんな状態から、今は、結婚式に行けるのですから、読み手としては落ち着いていられるのですが、この頃は余りに悲惨ですね–。身体のほうが、どうやって良くなっていったのか、早く知りたいです!お嬢さんの結婚式のやり方いいですね~お互いの理解がないと出来ない式ですねd(゚-^*) ナイス☆!!

  6. 洋子 より:

    リラックスした雰囲気の結婚式になりそうな感じですね。良い花見風呂となりますように。足はずいぶんお辛かったでしょうね・・・横になっているより他はない日々はやりきれなかったことでしょう・・・旦那様がよくやってくれる方のようで素晴らしいです。

  7. たんぽぽ より:

    こんにちは。お嬢さんの結婚式、無事に終わるといいですね。だんなさまはやさしいですね。よく病気になると家族のありがたみがわかると言いますが、本当ですね。「居間に布団を敷いて、一日中、天井を眺めた。」というところが、すごく印象に残りました。とても辛かったでしょうね。

  8. Misa より:

    こんばんは☆まずはお嬢さんのご結婚、おめでとうございます!桜の季節の旅館での結婚式、きっと素敵なお式なのだろうな。温泉もたくさん入って、お肌つるつるですネ。手記を拝見して、またまた悲しくなりました…(>_<)白い花さんご自身、どうして?どうして?の繰り返しだったと思います。足まで悪くされただなんて・・・酷いです…

  9. ひだまり☆☆ニコニコ より:

    白い花さん、こんばんは~(o^-^)ヾこヾ(^o^-) ん(o^ー^)o ばo(^0^o*)ん(o^-^)ヾはお嬢さんのご結婚、おめでとうございます^^ひだまりもアットホームな結婚式に憧れています。一生に一度きりのことだからこそ、親や周りに迷惑をかけずに、みなさんから喜んでもらえる式が挙げられたらなって・・・(^^;(^^;幸せになるためには、見栄や体裁は必要ないですよねっ^^ひだまりのところも、疲れた心や体を癒しハッピーな気持ちになれる温泉が多いから、、、、考えてみようかな~~(^^;(^^;歯の治療の方は、大変なことになったのですね(><)ひだまりが今まで体験したことがない世界です。副作用があるとわかっていても、お薬を飲んでしまう白い花さんのお辛い気持ちを考えるとどんな言葉をかけていいのかと考えてしまいます。ひだまりも雪椿の写真を撮ってきたのですが、花びらが虫に喰われているものが多かったです。

  10. 白い花 より:

    皆様、コメント有り難うございます。先週から色々と忙しくて、お返事が書けません。申し訳ないです。

  11. パンチ より:

    水車は郷土資料館で見かけますが実動してるの初めて見ました。

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