歯科治療9年の苦労ばなし  63  

 

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 今日の写真は、夏のなごりの我が家の庭です。長いあいだ咲いていた薄紫のサルスベリ
 
花が、終わろうとしています。
 
 歯のほうは9日に補綴の予約がありました。作り直した右側クラウン1本を嵌めいただ
 
ましたが・・・
  
 今回は第一章 ”16 僕は苦情係ではありません” です。

 

      

 

 

        「歯科巡歴の記―歯科からの帰還」

 

   第一章  二人目の主治医

 

 

         十六  僕は苦情係ではありません    

 

 外来診療責任者の歯科医に苦情を話していた。時間がまだあるようなので三番目の件に
 
話を進めようとした頃だった。歯科医も、三つの用件のうち二つの件については話が済んだ
 
と思ったのだろう。
 
 
 
「ところで、治療のほうはいかがですか」
 
「はい、三つ目の今後の治療のことですが、今の主治医になって三年、この病院に御世話に
 
なって四年半近くになります。なんとか早く終わらせていただくことはできないものでしょうか」
 
 主治医の教授が毎回診察しなくても、簡単な処置を助手の歯科医に頼んで外来回数を増や
 
すとか、なにか考えてくれないだろうか。今だと、早くて一カ月に一回の予約なのだ。
 
「そうですね。あなたのカルテを読ませていただきましたが、左の六本のブリッジなら
 
そんなに期間はかかりませんよ」
 
「最終的には二本のインプラントにするつもりなのですが」
 
「だったら、最初からそうした方が良いですね」
 
「主治医の先生が、噛み合わせを確認するために、まず六本ブリッジでと仰いますので。
 
前の脚二本になる歯は後ろに四本筋を入れて、金属を張り付けるだけなので、
 
部分入れ歯よりもその方が歯に傷を付けないとか」
 
「へえ、そんなことができるのですか」
 
「えっ!? そうお聞きしていますが・・・」
 
「今は良い接着剤ができていますので、できるのでしょうね」
 
「はあ?」
 
 同じ補綴科の歯科医で、しかも医長なのに知らないとはどいうことなのだ。
 
「ブリッジなら月一回の外来で、八カ月くらいで終わりますよ。
 
歯を抜くのであれば早く抜くことですね。歯茎が落ち着くのに抜歯後三カ月は掛かります。
 
それからでないと、ブリッジは作れませんので」
 
 治療内容について親切に色々と教えてくれようとする。
 
                             
                                                                        アガパンサスの実         
 
 しかし、直接インプラントにすれば良いと言ったくらいだから、詳しいことは知らないようだ。
 
一回カルテを読んだだけでは、これまでの七年間の経緯は分からないのだろう。まして私の
 
主治医はカルテに詳しく書くタイプではないらしい。左側の六本ブリッジだけでなく、その上の
 
歯二本、右側の歯三本、他にもまだある。それを分かってくれていなければ話にならない。
 
 とにかく、薬の件、救急で仮歯の形を変えてもらう件は解決した。
 
“上の偉い先生を出せ”と、私が言えば良いんでしょうよ。
 
 三件目の今後の治療のことは、今さら早く抜けば良いと言われても、次の予約日まで待つ
 
しかない。歯茎が落ち着くのに三カ月かかるというが、左だけでなく右の歯もまだまだだから
 
三カ月くらいどうってことはないだろう。
 
 今後の治療については、ここでは解決しないようだ。もう話は終わったのだ。
 
                                    
                                                                 白百合の種を待っています
しかし、どういうわけか、だんだん治療の中味についての話になる。
 
「三年前に今の主治医に変わったとき、最初の治療方針ですが、
 
カルテにある三つのうちのどれを採用したのですか」
 
「最初、スプリントで、しばらくしてスプリントなしになりました。代わりにプラスチックの仮歯を
 
左右に入れて調整しています。右側のプラスチックの仮歯を金属の仮歯に作り替えている
 
ところですが、なかなか巧くいきません。右側が完成しないと次に進めないということで、
 
左側はそのままになっています」
 
「そうですか。でも、いつまでもプラスチックの仮歯では決まってきませんよ。
 
普通は金属の仮歯でだいたいのを両方作って、噛み合わせを安定させます。それから本物
 
クラウンなどを作るのですがね。片方ずつこんな調子で歯を作っていてもねえ」
 
 以前、救急で同じことを言う歯科医がいた。
 
「はあ……。またスプリントを嵌めていますが、今度は噛み合わせの調整のためなく、
 
きつく噛みしめて歯が倒れないようにです。眠るとき、運動するときなどに付けています」
 
「運動するときに歯を食いしばるのは間違っていますよ。息を止めてはいけないですよね」
 
「そうなのですが、筋肉トレーニングなどで思わず噛みしめることがあるといけないので、
 
予防のためです」
 
「あなた、思い込みが激しいですね。噛みしめてしまうと言いますが、噛みしめなければ
 
良いでしょ。努力せずに思い込んでいます」
 
「はあ?」
 
「口を尖らせて息をふーっと吐いて、口を閉じて下さい。そのときの歯の状態が歯のあるべき
 
状態です。上下の歯が二、三ミリ開いています。そうなるように努力して下さい」
 
「はい。でも、そんなことは初めてお聞きしました。これからは試してみます」
 
 起きているときは努力できるが、眠っているときはどうなるのだと言いたかった。
 
「スプリントを嵌めていると、いつも歯がスプリントに当たっていますので、
 
むしろ歯が倒れ易いですよ」
 
「いえ、スプリントを嵌めていても、口を閉じた状態で上下の歯の間に隙間があります」
 
「そんなスプリントだと意味がありませんがね」
 
「はあ……」
 
 今まで知らなかったことを教えてくれるので有り難い。
 
 しかし、なぜかだんだん険悪なムードになる。早く終わりにしたい。時間もそろそろだ。
 
                                               

                                          花が枯れた浜木綿           花柄がすっかり落ちた浜木綿の実      
                                                                                                      
「お時間、宜しいのでしょうか?」                              
 
「……もう、時間はとっくに過ぎています! 四十分過ぎました!
 
半からだったのを十分前の二十分から始めましたよね。十分超過です!」
 
「はあ?! では、これで失礼します。歯が割れているとは知らなかったのですが、
 
他の先生からお聞きしました。それは主治医の先生に直接お尋ねしますので」
 
 突然、歯科医の態度が険しくなったので、驚いて早く引き上げようとした。だが、歯が割れ
 
ている件を、うっかり口に出してしまった。事実は変わらないからもう良いと思っていたのに、
 
心の中ではやっぱり悔しかったのだろう。
 
「そんな歯が割れたかどうかを、ちょっと説明していなかった、言った言わないなんて、
 
重要じゃないでしょう!」
 
「えっ!?
 
 歯科医の声は、ますます強張っていた。患者の私としては、こんなふうに断言するのを聞き
 
流すわけにはいかない。だが、この歯科医とここで揉めるより、まず張本人に話をするのが
 
筋だろう。
 
「ここで申し上げるつもりはありませんでした。主治医にお尋ねしますので」
 
「それだけでなく、全部、主治医に直接言えば良かったでしょう!」
 
「はあ?! でも、先生が苦情係だとお聞きしたものですから」
 
「僕は苦情係ではありません! これは診察です!」
 
「えっ! でも、そしたら苦情は、どなたにお話しすれば宜しいのでしょうか?」
 
「主治医に言って下さい!」
 
「でも、歯が割れているかどうかは主治医にお尋ねしますが、救急のシステムなどは関係ない
 
と思いまして。それに主治医の先生はお忙しそうで、こんな話をしていたら治療の時間が
 
なくなってしまいますし」
 
「僕だって忙しいです。全部、直接主治医に言うべきです!」
 
どうして急に態度がこんなに変わったのか、理解できなかった。
 
「……では、そうします」
 
「今回は、もう僕に話したのですから、また主治医に言う必要はありません。
 
時間が無駄になります!」
 
「はあ……」
 
「誰でも時間が足りないのです。あなた、次の患者さんの時間を、もう十分、いや十五分も
 
盗んだのですよ!」
 
「えっ?! どうも、お時間をお取りして申し訳ありませんでした!」
 
 もう、カンカンに腑が煮えくり返っていた。
 
 なんで、こんなふうに言われなければならないのだ。予定の十分前に呼びに来た。それで、
 
四十分間あると思っていた。三十分で終わりなら最初にそう断ってくれないと。それに最後の
 
ほうでグダグダ言い出したのも向こうだ。普段の診察でも予約時間通りにピッタリいくことなど
 
まずない。十五分や三十分遅れるのは珍しくもない。今回に限って、どうしてこんなに厳しい
 
のだ。                                                       
 
 涙が出そうだった。この病院に通い始めてから今までで一番腹が立った。診察料金を払わ
 
なければならないのも、苦情を言うのに料金がいるのかと腹立たしい。金額が再診料の
 
百七十円だけだったので払いはしたが、そういう問題ではない。だが、これ以上はもう何も
 
言う気にならない。疲れていた。
                                              
                     つづく
                                          ミニ柚子が色づくのは、まだまだこれからです          
 
 
  
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歯科治療9年の苦労ばなし  63   への13件のフィードバック

  1. パンチ より:

    僕だったら病院替わるだろうな、ムカムカですね

  2. main より:

    ふぅぅ・・・。お疲れ様でした、本当に疲れが残るだけでしたね。浜木綿の実って なんとなく可愛いですね~(*^-^*)。このさい、のんびりいきましょう♪

  3. booo より:

    辛いことばかりですね。 よってたかっていじめられてるような。。。記事内容とは違いますが、コメント頂いた件でちょっと書きますね。MSNの記事の字体(おそらくフォントのことですね?!)が変わったのは、いつ頃なんだろう?パソコンを変えたからとか、ブラウザ(InternetExplorer)のバージョンが変わったとか、、そういう事はないですか? もし以上のケースではないのなら、とんでもないことですね!それも前触れもなく。。。今のところ、他のMSNのブログを見ても、フォントが変わったような感じはないのですが、ちなみに、記事のフォントをオプションで変えられるのはご存じですか?

  4. 洋子 より:

    この患者に対する対応は何なのでしょうね・・・こんなにも横柄というかなんというか、態度のよろしくない歯科医がたくさんいるものなのか、と思いますね。アガパンサスや浜木綿の実ってこういうのなのですね。

  5. たんぽぽ より:

    私ならさっさと、ほかの病院へ行きますが・・・白い花さんも、ほかへ行けるのなら、とっくにそうしているでしょうね・・・

  6. ぷち より:

    こんにちは・・・(^-^)サルスベリの花ってピンクしかないと思っていました・・・薄紫も綺麗ですね。医者も・・・適性能力の試験が必要なのではないかと思います。こんな患者の気持ちを考えない医者がたくさんいるかと思うと悲しくなりますね・・・

  7. Misa より:

    こんばんは☆百日紅のお花、もうそろそろ終わりですね。薄紫のものは、私も初めて見ました。小さなお花がたくさん集まってきれいですよね。ところで、今回の記事…私もとても悔しくなってしまいました。医療現場に立つ人間の言うことでしょうか!?酷いです。。。でも白い花さんも怒りをもう超えてしまって、お疲れになってしまって…もっと体を壊してしまいます。。信じられないです。こういうひとが今も病院に勤めているなんて!!

  8. さんぽ より:

    ひどいな~ 歯の治療はしなければならないけど、精神力が持ちません。こんな医師と会った事がありません。私なら、他の病院へ代わります。

  9. sakura より:

    おはようございます。すごいことになりましたね…精神力も使いますし、今まで歯科治療に費やしたお金も時間も大変ですよね。最近では、セカンドオピニオンなども大分広まってきてはいますが、歯科治療についてはまだまだなのですかね。文章を読んでいてお辛い気持ちがとても伝わってきましたしどうにかならないのかとお気のどくです。歯科医院に行くのが恐くなりました。

  10. じばこ より:

    苦情を言うための時間なのに、この歯科医の態度、余りにも酷いな~–;人間、うっぷんを貯めこんじゃ駄目なんですよね。これじゃ、お皿を割ったってことが理解出来ます!私も一回だけ、思いっきり投げつけ割ったことがあったこと、友人に打ち明けたら”そんなの、何回もあるわよ^^後が大変だけど・・・”と言ってました。マイナス思考にならない友人が_です。そうして、心を軽くする方がいいですね✌

  11. ひだまり☆☆ニコニコ より:

    白い花さん、こんばんは~春から私たちの目と心を楽しませてくれたお花たちも暑い夏に私たちにパワーを与えてくれたお花たちも来年へと「命のリレー」が始まっていますね。白い花さんから優しく見つめられてきたお花たちも、たくさんの種を残しまた来年綺麗な花を咲かせてくれることでしょうね^^態度が急変した医師の言葉、酷過ぎますね!他の患者さんの時間を盗んだなんて。。。。読んでいるひだまりだって悲しくなったり、切なくなってきます(><)ひだまりも悩みごとを聞くことがあるのですが、悩んでいる人は話すまでの期間誰にも言えずに苦しんできたのですから、「辛かったんだね」と言う言葉をかけてあげます。それだけでも悩んでいる人は心が軽くなるからです。「何でも話していいよ」って言いながら、悩みを打ち明けると「そんな小さなことで悩んでいたの」と笑ったりする人もいるんだけど、それだとそれ以上は話せなくなりますもんね。白い花さんが病院に行くたびに、精神的な疲れが増していくことがとても心配です。

  12. kokan より:

    私はまだ中学生の頃に、前歯が虫歯治療にしてもらったことがありました。二桁の年月が経ち、別の歯科に診察を受けた際に、前歯の神経が除かれていますねと言われました。驚いたわたしをみて、前の歯科で説明や了解を受けませんでしたかと聞かれました。神経をとると、歯が弱くなるそうですので、普通若い方にはあまりおすすめしませんですけどねと。

  13. 白い花 より:

    コメント、有り難うございました。じっくり読ませていただきました。コメントを読むのが励ましにも、楽しみにもなっています。本当に有り難うございます。この頃は、少し元気になって行動を起こすと、さらに痛い目を見るのかと思って、どうすれば良いのか迷っていました。でも、うじうじ沈んでいるよりは、良い方向に向いているのかとも思い直したりしていました。行動を起こすことで状況が良くならずに、却って悪くなっても、自分の納得いくように行動するしかないと開き直りました。本当に歯科医の横っ面を張り倒して、フンと言ってさっさと他に替わりたいと何度も思いました。

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