歯科治療9年の苦労ばなし  81  

 
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 今日の写真も我が家の庭です。鳥がもみじの木に付いた虫を食べに来ているようです。
 
殻の中で冬ごもりしているイラ蛾の幼虫をつついているのか、あるいはもうカラから出てきて
 
いる幼虫がいるのでしょうか。10羽ほどで一斉に飛んできましたが、種類の違う鳥が混じって
 
います。逆光の写真なので、よく見えないのが残念です。
 
 歯の方は、水曜日に歯科へ行ってきました。作り直しのクラウンは前回のものよりもかなり
 
改良されていました。一カ月様子を見ますが、たぶん大丈夫だと思います。(これは現在のこ
 
とで、下の話は2008年のことです)
 
 ところで、今朝のニュースで、事前の説明もないインプラントの埋め込み、それも他の人に
 
一度使ったことのある材料の再使用などをしていた歯医者のことを聞きました。こんなことが
 
なぜできるのか信じられません。事前の説明なしに歯を削ったりされるという経験は、私だけ
 
でなく私の友人にもあります。何人もの歯医者にこの10年かかっていますが、歯科医は医者
 
としての自覚が薄いのではと感じるようになりました。もちろん、しっかりした方もいらっしゃる
 
とは思いますが。
 
 今回は 第三章 大学病院から民間病院へ の ”3 でっかいスプリントの効果” です。
 
                                  
                                                                          もみじの木と鳥
 
            「歯科巡歴の記―歯科からの帰還」
                 
    第三章  大学病院から民間病院へ
 
 
        三  でっかいスプリントの効果
 
 
 新しい歯科医の思いもしない説明に、これまでの苦しさから解き放たれた気がした。その日
 
は新しいスプリントを調節してもらって持ち帰った。
 
 
 
 夜、スプリントを前にしてなかなか付ける気になれない。
 
 眠るときは、たいてい左下の二本続きの部分入れ歯を外している。付け心地が悪くて
 
イライラと寝付けないからだ。スプリントは部分入れ歯を付けた状態で合うように調整され
 
ているから、スプリントを付けるなら部分入れ歯も付けなければならない。部分入れ歯だけで
 
違和感が大きいのに、その上スプリントも。
 
 スプリントは以前のものより分厚くて、いかにも嵩だかい。付けると上下の唇がまったく
 
届かず、口を閉じることもできないものだ。二つを前にじっと睨み付けていた。
 
 五年前に一年半、二年前にも一年以上スプリントを付けていたことがある。五年前は一日
 
二十四時間が目標だった。あの辛さを思うと、ゾッとしてたじろいでしまうのだ。今は眠るとき
 
だけで良いと言われている。だが、今これを付けるというのは、ただ朝まで八時間付けると
 
いうことに終わらない。最初は最低の八時間でも、徐々に時間数を増やしていかなけれ
 
ないからだ。これからずっと両手両足に鎖をつながれた囚人の生活になるようなものだ。
 
 そんな思いで、だんだん胸が詰まってくる。部分入れ歯とスプリントをテーブルの上に置い
 
まま、だらだらとテレビを見るともなしに見ていた。
 
「もう、寝るぞ。明日、早いから」
 
「分かってる。けど……」
 
 夫はとっくにベッドへ行った。
                                                                                        
                                              サルスベリの木でも一休み
 
 午前一時になった。付けるしかない。これから、またあの辛い日々が始まるのだ。
 
 悲壮な思いで二つを付けた。スプリントは少しきついような気がした。
 
 あれぇ?!
 
 意外だった。
 
 昨夜までは部分入れ歯を外しても、二本続きのクラウンの角が舌や粘膜に触って痛いし、
 
気持ちが悪かった。上向きで眠ると喉が詰まりそうな気がして、右を向いたり、左を向いたり、
 
俯せになったり、やっぱり上向きになったりで、眠るのに一苦労していたのだ。
 
 ところがスプリントを付けると、息が楽になった。喉の奥が広く開いたような、わだかまりが
 
すっかり取れたような気がした。スーッとベッドに滑り込み、上を向いた“小”の字の姿勢
 
まで眠りにつけた。寝返りを打ってイライラすることは、まったくなかった。何年ぶりか
 
熟睡たようだ。朝の目覚めが爽やかだった。
 
 最近は喉の奥がすっきりしたと感じていたわけではなかったが、息が苦しいのだとは思って
 
いなかった。六年前の大きな仮歯の治療ミスのときは、舌が膨れて捻れ、喉に落ち込み気道
 
を塞ぎ、窒息しそうで苦しかった。その後二年くらいは喉が変で息苦しいという自覚があった。
 
睡眠中に舌が喉に落ち込み気道を塞ぎ、ガボガボッという音と共に何度も目が覚めた。歯の
 
ためだけでなく、それを防ぐためにも長らくスプリントをしていたのだ。しかし、もう治ったと思
 
ていた。スプリントは必要なくなったと当時の主治医も言ったし、私もそう納得していた。
 
 ところが、スプリントを嵌めると、こんなに息が楽なのだ。ということは、私はずっと息が苦し
 
かったということになる。部分入れ歯やクラウンが気持ち悪くて、何度も寝返りを打っていると
 
思っていたが、原因はそれだけではなかったのだろうか。
 
 スプリントを付けると、部分入れ歯やクラウンの不快感がなくなった。舌がそれほど引っか
 
からなくなったのだ。上顎が高い位置になり、口の中が広くなったためだろうか。顎の位置が
 
変わり、舌と左奥の歯の距離が変わったのだろうか。
 
 翌日からは夜だけでなく、昼も外出するとき以外はスプリントを付けるようにした。付けると
 
上下の唇が合わないので、とても外出できる外観ではない。
 
「俺の前では外してくれよな」
 
 夫は薄情にも、その状態を見て気持ちが悪いと言ったのだ。
 
                                                                                           
                                               大株に育った万両の実
 スプリントを付けて驚いたことがもう一つある。
 
 六年前の大きい仮歯の治療ミス以来ずっと全身の筋肉が攣って、筋弛緩剤を飲んでも
 
どうして筋肉は完全には元に戻らなかった。ところが、スプリントを付けた翌日、舌の左奥
 
半分から喉の左奥にかけての筋肉の突っ張りが、ほとんどと言って良いくらいに消えていた
 
のだ。毎日、舌のストレッチ体操をしていた。そのときに舌の左側が延びずに縮こまっている
 
のを六年間ずーっと感じて来た。その感じがないのだ。狐につままれたようだった。
 
 フィットネスクラブのトレーナーも、変化に気が付いた。
 
「歯の状態で、こんなに影響があるのですね。首の後ろの懲りも取れてきてますものね」
 
「ええ、今日は同じところを押して頂いても、以前ほど痛くはないです。
 
それに股関節の調子も良いような気がしますし」
 
 歯の状態が全身に影響するとは本にも書いてあったが、これほどストレートに変化があると
 
は思ってもいなかった。
 
 しかし、考えてみれば、大き過ぎる仮歯で筋肉が攣ったり、舌が腫れて気道を塞いだり、
 
歯列が歪だりと悪くなったときは、もっと大がかりで急激だった。逆の効果が思ったより早い
 
と言っても、それに比べるとたいしたことはない。驚くにあたらないのだ。

                                                            
 不思議なことはまだあった。           戸外にほったらかしの大株のシンビジューム、毎年咲きます
 
 スプリントを外したとき唇に力が入るような感じがして、口を閉じたとき気持ちが良いのだ。
 
六年前から唇を閉じずに普段は歯だけを閉じていた。写真を取るときにも唇をきちんと閉じ
 
ことができなかった。最近の私の写真を見るたびに、事情を知らない知人が「なんか口元変や
 
なあ」と言った。まだまだ歯だけで口を閉じている状態だが、唇で口を閉じる感じが少しは
 
分かったような気がする。
 
 様々なところで何年ぶりかの変化が始まっている。これまではイライラと落ち着かない感覚
 
の中にいた。今は体全体が穏やかな安定感の中に存在するように思えるのだ。
 
 反面、喜びの大きいだけ悔しさも大きかった。こんなことで改善されるのに、何年棒に振っ
 
たのだろうか。
                                                                                      
                                              ツワブキの枯れた花                            
 新しいスプリントを付けて、四日目だった。
 
 スプリントが合わなくなったような気がした。部分入れ歯も気になる。長く付けていると
 
スプリント自体を不快に感じる。だからと言って、スプリントを外しても不快感がある。付けて
 
外しても不快感はあるが、スプリントを付けた方がまだましだった。夜は付けて眠り、昼は
 
付けたり外したりを繰り返す。時々だが顎関節まで痛み出した。しかし、舌の筋肉の緊張は
 
緩んだままの状態を保っていた。
 
 スプリントを付けて、たった一週間足らずなのだ。八年間で拗れたものが、そうそう簡単に
 
治るわけがない。プラスマイナスして全体的に見れば、効果はプラスだ。スプリント様子を
 
見ながら二週間ごとに調整することになっている。次の予約まで焦らないで様子を見よう。
 
                                               つづく
                                     年を越しても咲いているツワブキの花

                    

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歯科治療9年の苦労ばなし  81   への17件のフィードバック

  1. ポポちゃん より:

    成功したのかな?予断許さないね。

  2. アカショウビン より:

    この写真が、例の鳥の団体さんですね^^丸い体に、尾羽が長いのが特徴的なこの鳥は、エナガですね。可愛い鳴き声が聞こえていたことだろうと思います(*´∇`*)種類の違う鳥というのは、写真ではよくわかりませんでしたが、大きめな鳥なら、シジュウカラ、小さめな鳥ならコガラかヒガラあたりだと思います。キツツキの仲間のコゲラが交る場合もありますね。クラウンの調子が良さそうで良かったですね(^_^)

  3. Jasmine より:

    本当に、歯(口腔)というのは敏感な器官なのですね…(もちろん体のどこも精密機械のようなものなのでしょうが)器具の良しあしで、生活の質まで大きく変わってしまうのですね。それにしても立派なお庭です!万両やシンビジウム、モミジや百日紅…他にもいろいろな植物に囲まれて、マンション住まいの私にはうらやましい限りです^^!

  4. booo より:

    人間、日頃の生活の中で、無意識に緊張してる部分っていっぱいあると思います。( ̄_ ̄;)それが解放されたときの喜びは、おそらく言葉では表せないものかもしれないですね。(゜▽゜*)インプラントのニュース、見ました。。。残念な結果を招きましたけど、ホントに怖い世界ですね。。。

  5. ちえみ☆ より:

    口の中って言うのは、本当に辛いと思います。食べること話すこと人にとって一番大切な事ですからね。早く快適になるように祈っています。お庭、素敵ですね(^_^)vかわいいお花が咲いて癒されますね。春になったら花、いっぱいになりそうですね(*^_^*)

  6. 阿霞 より:

    人から見えないところの痛みってホントに辛いことだと思います・・・

  7. САБУРО(サブーラ) より:

    確かにお辛いでしょうけど、暫くは様子見になってしまいますね。万両の実は色鮮やかですね^^年を越してもたくましく生き咲いているツワブキの花花もいろいろ。

  8. mako より:

    こんにちわ♪♪~そそ、先日悪質な再使用とかで、酷いですねお客を見て判断して使っていたとかでここでも、大学病院のお偉い先生でも・・・・・のような方も医師も色々・・・・歯はこのように見せて頂くと全身に関るのですね>何年棒に振ったのだろうか。ほんとですね^^;

  9. Nami より:

    歯の状態がいろんなところに影響してくるものなんですね。歯医者さん、つい疑ってしまったりして、険悪ムードになったことあります。信じてもいいお医者さんなのかどうか、どうしたらわかるんでしょうね~。^^;

  10. sakura より:

    こんにちは。歯の状態によってこんなに違うものなのですね…正直、年をとって入れ歯になったときが恐いです。一度で良い歯科医に出会うことはほぼないとすると、どうなってしまうのだろうという不安に駆られます。歯科医院はあちらこちらに開業していますものね。まるでコンビニのように増え続けています。何を基準にしたらいいのかわかりませんね…

  11. main より:

    こんにちは~(*^-^*)「小」の字で寝れるって、思わず寝姿を想像しちゃいました。「大」の字で寝るのは やっぱり男性なんだとも(笑。人間の体って、どこかで異常が発生すると 本当にいろんな処までオカシクなりますね。お医者さんに言えば、もう歳なんですからと逃げられるのが判ってる私、少々のことは気にしない人生を送ってます、毎日が新鮮とはいきませんが 健康のありがたさ を判る年代に入ったことだけは実感しています。庭に咲くツワブキ、小さくても強い花なんですね。

  12. 洋子 より:

    こんばんは。今回のスプリントの効果は相当に劇的なものだったのですね。いかに口の中の環境が全身に大きな影響を与えるか、白い花さんのブログでたくさん教わっています。さて、合わなくなってきたということで、この後も気になります。

  13. たんぽぽ より:

    歯って、いろいろなところに影響するのですね。怖いです。

  14. abend より:

    こういうことをわかってくださる人ってなかなか居ないでしょうね^^細かい心遣いや手先に技術がないと無理な気がします。なったものにしかわからない気持ちあるんでしょうね。そういう気がします。

  15. Misa より:

    こんばんは☆私もそのニュース見ました。気づいたら勝手に治療が始まっていたというもと患者さんの証言を聞いて信じられない!と思いながら、白い花さんのことも考えていました。↑のスプリントが今後白い花さんにどういう影響を与えるのか、拝見していて不安になってきました…お庭とても素敵ですね。お手いれも大変そうですけれど、こんな風に植物たちに囲まれていたらプラスのパワーをもらえそうです!

  16. 白い花 より:

    皆様、コメントを有り難うございました。今度のスプリントの効果には驚きました。以前にしていたこともあるのですが、全然違いました。調整の仕方に上手下手があるのでしょうね。上手な歯医者を見つけるのは、難しいですよね。歯医者の数は多すぎて倒産するところもある状態らしいのですが、上手なところは少ないようです。整形外科と歯科はなかなか良いところが見つからずに、梯子をすることになると聞いています。私の場合、整形外科は、開業医ですが良いところが見つかりました。口の中は一番敏感なところらしいです。体の表面で、2点感知?ができるのは(近づけた2本の細い棒の先を同時に触れて、2点を区別して感じることができる)手の指と唇だけらしいです。口の中はそれよりも敏感だとか。なかでも舌はすごいと思います。目で見ても分からないし、指で触っても分からないのに、舌で触ると違いが分かるのです。何度も経験済みです。我が家の庭には、桜と紅葉の大きな木があります。特に桜は健康に良いとか。夏は木陰ができるので涼しくて、お昼はクーラーなしです。夜は用心のために雨戸をしますので、1階はクーラーをかけますが、2階の寝室はかけません。この他にも木や花には、プラスのパワーをもらっていると思います。以前は、ツワブキの花は秋のものだと思っていたのですが、だんだん遅くなって、今年は年を越しました。鳥の団体は、一度きりでした。2,3羽では何度か来ましたが。混じっていた違う種類のは、背中に横縞があるので、たぶんコゲラだと思います。(アカショウビンさんの写真を参考にさせていただきました)

  17. Tosh より:

    こんにちは 白い花さん♪ なるほど。 付け心地はまだ完璧ではないのですね。 しかし、これまでとは大きな変化がある、ということですね。 我慢を重ねてきた過去の治療が嘆かわしいですね。 それでもまだ完全ではないのですから、大掛かりな歯の治療というのは難しいのですねえ。 僕は今毎食後歯磨きをしていますが、あなたの『歯の治療ストーリー』を読んでいると、 自分の歯のこれからに不安を感じたりもしています。 どのようにすれば、今の歯の状態を長く維持できるのか、って。

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